幼稚園行事 5歳児たいよう組

今週の1場面 たいよう組(5歳児)

「こあらさんサプライズ作戦」

~作戦始まり~

4月の中旬、帰りの会で「今日は何が楽しかったか」振り返りをしていると、「こあらさんと遊んだ♪」「着替えや片付けの手伝いをしてきたよ!」などと、少し誇らし気に話す姿が見られました。そこで教師から、「皆がこあらさんだった頃、たいようさんと一緒に何をしたか覚えている?」と、尋ねると「忘れちゃったな~」と、素直(笑)「一緒に虫を見つけたよ」「プレゼントもらった!」など、入園当初を思い出しながら、じゃぁ、私たちも・・・♪と、作戦が始まりました。

~こあらさんのことを知りたい~

今年のこあらさんは、弟や妹がいて名前を知っている子もいるけど、他の子たちはまだ知らない…ということで、ファミリーのメンバーを紹介しました。写真を見て、「かわいい!」「〇〇ちゃんだ」「いつもブランコ乗っているよね!」などなど、戸外で遊びながら、周りをよく見ていますね。“もし、自分がこあらさんだったら、自分の好きなことを一緒に遊んでほしい”“好きな物をプレゼントしてもらえたら嬉しいはず”という意見から、好きなことや好きな物を調べることにしました。自分がされて嬉しかったことを蓄えてきているからこその視点ですね。

調査初日は、直接聞いていましたが、言葉で聞き取ることって難しいですね。それでも何とか知ろうという思いから、遊ぶ様子を見たり、マークを覚えたり、担任の先生に聞いたりしながら探っていました。途中からサプライズにしようといううことで、聞くことをやめて、お忍びで調査に行く様子が何とも可愛らしいです。

それぞれが、調査報告をし合ったり、何度もこあらさんの部屋を行き来したりする中で、自然とファミリー以外の子とも触れ合うことを通して、親しみが増しているのを感じました。

~こあらさんに喜んでほしい~

長森駅の竣工式で披露した経験が、たいよう組の子どもたちの中で“お客さんに見てもらえた嬉しさ”(もちろん緊張もありました)“大勢の前で披露する楽しさ”を味わったりしたことで、「こあらさんサプライズ作戦」に歌うこと、踊ることも加えようと、子どもたちから提案されました。「どうしてやってみようと思ったの?」と尋ねると、「いっぱい(人が)いたけど、楽しかったよね」「そうそう」「僕たちの歌とか聞いたら、明日も幼稚園来たいって思うから」(…皆が頷き合う)

まずは、自分たちが楽しいことをやりたい気持ちがベースにある中、皆で力を合わせると、こあらさんにこの気持ちが伝わると、心から思っているピュアな気持ちが嬉しいです。

~プレゼント作りは大変だ~

大きな模造紙に、ファミリーの写真、作ったプレゼントを掲示し、サプライズ作戦までの日にちをカウントダウンしながら過ごしていると…

好きな物が分かったからこそ、何で作ろうか、どのくらいの大きさにしようか考えたり、おままごとが好きな子って何が欲しいんだろう…と作る物で悩んだりして、日をまたぎながら作りました。

自分の遊びたいこともある中、どうしたらもっと喜んでくれるか”を考えながら、好きな物を作る、丁寧に作る、綺麗に作る、作り終わった子は友達の分も協力して作るなどして、最後まで仕上げていきました。

作り終わると、「やっとできた~」「ぜったい、喜んでくれる」「たいようって大変だよな~」と、これまでの自分の頑張りを噛みしめていました。

~サプライズ1日目~

 サプライズの日は、まさかの雨。外で一緒に遊ぶ(晴れの日前提の)計画なので、教師は晴れた日にやることになるかもしれないな…と予想していましたが、たいようさんの反応は違いました。

「雨だけど、今日やろう!」「こあらさんにもうやるって言ったから、楽しみにしていると思う」「遊戯室で遊べばいいよね?」「そうそう。砂場も運んで遊べるようにする?」(え?遊戯室に??)「でもこあらさんが遊びたいことができないんじゃない?」「たしかに!滑り台もブランコもないしね」「雨でもぼよよんは踊れるよ」「プレゼントも作ったから渡したい」「遊びはお昼から晴れるから(天気予報を見て知っていた)その時がいいな」などなど。本当にたくさんの思いを言葉にして、それぞれの考えを伝え合っていました。もちろん、全て納得というわけではないと思いますが、雨というハプニングに対して、自分たちで考えて決めたからこそ、その後、こあらさんを手を繋いで遊戯室に案内したり、歌と踊りを自信をもって披露したり、期待の眼差しを向けてプレゼントを渡したりする姿に繋がりました。皆の気持ちはとびっきりの笑顔で返ってきましたね。

~サプライズ2日目~

 今日こそ晴れるかも…いいえ、昨日より雨(笑)でしたが、子どもたちは一瞬の曇りを見逃しませんでした。“部屋まで迎えに行った方が、嬉しくて遊べると思う”“遊んでいるところに入った方が楽しく遊べると思う”という考えのもと、それぞれのチームで動きました。

ご覧ください。たいよう組と、こあら組の姿から、どんな思いで、関わっているか、何を感じているかが伝わってきますね。

 翌日もこあら組の子どもたちから、たいよう組に話しかけたり、遊びの中に入ってきたりして、その行動を温かく見守ったり、受け止めたりしながら一緒に遊んだりしていました。

また一つ、自分たちで考えて、試して、行動して、やり遂げる達成感を味わえましたね。

 

さて、たいようさんは、玄関付近のプランターの苺を毎日収穫しています。目標は400個だそうです(笑)どんなことを思いついて、進めていくのか、次の楽しみに続いていきます。