「コンサートをしたい」
ゴールデンウィーク明け頃から、トイレットペーパーの芯や折り紙を使ってマイクを作ってソロで歌ったり、空き箱にゴムを通し、ギター!?を作ってゴムを弾いて音を鳴らしたりする姿が見られています。
どうやら、給食後の会話の中で偶然同じ映画(CMでもお馴染みの)を見てきた子どもたちが集い、”コンサート”をしようという話に。賑やかな雰囲気に”面白そう””やってみたい”と仲間に加わります。楽器を作った後には、「帰りの会で皆にみせたくなっちゃった」と、即興のコンサートが開かれました。いざ前に立つと、緊張しますよね。(この時はギター3人に、ツインボーカル)そんな思いがお客さんにも伝わったのか、最後まで見守っていました。
後日、「お客さんをたくさん呼んで聞かせたら喜んでくれるかも」「よ~し、今日は遊戯室でやろうよ」と、思い付いたら即行動の子どもたち。もう既に楽器を作っている子たちも、「僕もギター作ろっと」「今度は鈴がいい!」など、2個目、3個目を作っていきます。中には、使ってない楽器を「誰でも使ってもいいよ」とレンタルする子もいました。
お約束の、作り終わるとすぐにコンサート(笑)(演奏の曲も決まってなかったり、歌詞も覚えてなかったりして大丈夫??と、心配する担任をよそに)お客さんも、楽器をもって、一緒に雰囲気を味わって楽しみました。
皆で一緒に音を出したり、歌ったりしていくと、自分で作った物を使って一緒にやりたい気持ちが高まってくるようです。日に日に楽器を作る子が増え、「友達と一緒の楽器を作りたい」「かっこよく作りたい」「新しい楽器を作りたい」「いい音がなるように作りたい」などなど。それぞれの思いをもち、「どうやって作ったの?」「これ使ってみようかな」など会話を交わしながら自分たちで形にしていきます。何を使うとどんな音が出るのか、廃材コーナーから探して試す時の表情が素敵ですね。
空き箱を繋げてドラムのようにして作ったり、同じ大きさの物を合わせて音を出してみたり、箱やカップの中に鈴、ペットボトルのキャップ、切ったストロー、丸めた紙などを入れたり、ギターのゴムを何個つけるか、どの向きでつけるなど、音を確かめながら作ったりしてそれぞれの工夫が詰まったオリジナルの楽器を作っていきます。
「お客さんに来てほしいから、チケットを作る!」と、誰かに聞いてほしいから、来てくれるための方法を考えました。(昨年のたいよう組から、チケットをもらって遊びに行ったことをよく覚えていましたね。)
チケットをたくさん作って、なつめ組の子たちに渡すと、すぐに来てくれました!
たいよう組の子どもたちも、こんなに早く来てくれるなんてビックリで、廊下に待ってもらって、椅子を並べます。(会場準備)外に遊びに行っている子もいたけれど、「今日は、私たちでやろう」と何とか準備をしてコンサートを開きました。椅子を22脚用意したけれど、来てくれたのは5人。3曲演奏しました。
終わってみると…「楽しかったね~」「今度はこあらさんを呼びたい」と、誰かに見てもらうことが嬉しいことがよく伝わってきます。なつめ組の様子(表情)を見ていた子は、「ぜんぜんお客さん来てくれなかったね…」「音が小さかったかな…」「お土産がなかったから?」「たいようみんなでやろうよ」と、今までの経験(竣工式やこあらサプライズ作戦)と、何か”違い”を感じたのかもしれませんね…
全員が集まった時に、このことを話題にすると、「え~いつのまにやってたの??」「私歌いたかった」「僕は(お客さんとして)見てよっか?」「やっぱり、広い部屋でやったほうがいいんじゃない?」「大きい音ってどうしたら出るんやろうね?」などなど、皆も考えを出します。きっと、それぞれが感じたことをお互いに伝えたり、それを受けて”次はこうしてみようと行動したりする中で、自分たちが楽しみながらも、新たな発見をしたり、お客さん(相手)のことを考えて行動したりする姿が見られるようになっていくのかもと思っています。