5月上旬:エプロンシアターを使った「どうしてむし歯ができるかのお話」
「歯みがきをしないと虫歯になる。」ということをわかっている子は多くいます。でも、どうしてむし歯になるのかを知っている子は少ないです。そのため、手作りのエプロンシアターを使って、むし歯ができるまでの話をしました。
歯みがきをしないと、寝ているときにバイ菌がやってきて、歯についている食べかす等を食べて、持っている薬で歯を少しずつ溶かしてしまう…。そうしてできた穴がむし歯だと知らせました。「そんなふうに虫歯にならないためには、どうしたらいいか。」の問いには、「歯みがきする!」と元気な声が返ってきました。その気持ちを忘れないで継続できるように話し、週末に配付するカードを見せて実施を促しました。
5月中旬:けんこうせいかつカード①「まいにちはみがきをして はをたいせつにしよう」の配付と実施
子どもたちが家庭で楽しく歯みがきができるように、けんこうせいかつカード①「まいにちはみがきをして はをたいせつにしよう」(10日間の歯みがきカレンダー)を作成し、配付しました。保護者には、ほけんだよりで実施を呼びかけ、親子で取り組んでほしいとお願いしました。
10日間の実施後、提出日の朝、ホールにテーブルを置いた提出スペースを設けて、登園後すぐに提出してもらいました。子どもたちは、嬉しそうにリュックからけんこうせいかつカード①を出し、見せてくれました。きれいに色を塗ったり、家にあるシールを貼ったりしてあるカードを見て、思い思いにしっかり取り組んだ様子がわかりました。保護者からのコメントを読んで「お母さんも“毎日自分から歯みがきすると言ってやっていました”って。すごいね!」と伝えたり、「毎日、歯みがきできたね。頑張ったね。」「上手に色を塗ってあるね。」等と頑張りを認めたりすると、少し恥ずかしそうに、でもみんな誇らしげでした。「これからも毎日歯みがきを続けてね。」と話し、カードにスタンプを押して預かりました。(後日コメントを記入して返却し家庭で保管してもらっています。)
3歳児こあら組の子どもたちは、例年通り給食後の歯みがきはまだ実施していませんでした。けんこうせいかつカード①で家庭での歯みがき状況等を確認したところ、ほとんどの子が家庭で歯みがきを実施している様子がわかりました。また子どもたちも園生活にも慣れてきている様子から、今年度も6月から給食後の歯みがきを実施することにしました。
6月:給食後の歯みがき指導の開始
いよいよ、歯みがきの開始です。歯ブラシやコップを嬉しそうに見せてくれました。給食を食べた後は、食器の片付け→ナフキンや箸等の片付け→いすの片付け等、覚えてやることがいっぱいあります。それが終わった子から、歯ブラシとコップの入った袋から歯ブラシを出して、廊下の椅子に座って、いざ歯みがきの開始です。養護教諭が歯の模型を使ってみがき方のお手本見せながら、一緒に歯みがきをします。「『イーみがき』からね。イーして上の歯からみがくよ。シャカシャカ…。」「次は『アーみがき』だよ。アーして。」「歯ブラシはこう持ってね。」と手を添えることもあります。
歯みがきが終了したら、「歯ブラシを洗う→水を切ってしまう→コップを袋から出す→コップに水を入れてブクブクうがいを3回する→口のまわりの汚れを水で洗う→タオルで拭く→コップを袋にしまう」これだけのことを、初めて自分でする3歳児にとっては大変な作業です。また“歯ブラシをうまく持てない、手が動かせない”に加えて、“歯ブラシやコップが出せない・入れられない”“ブクブクうがいができない、水をはきだす勢いが強すぎて友達にかかってしまう”等々…。子どもたちの試練は続きます。
始めは大変でしたが、毎日続けて3週間たった今では、ずいぶん上手にできるようになってきました。
現在は、給食を食べ終わると、職員室まで「歯みがきしよ!」と養護教諭を呼びに来てくれる子もいて、嬉しく思っています。
また、「先生の椅子も出しといたよ。」と!! 行ってみると、自分たちの椅子ではなく大人用の椅子をきちんと置いてくれていました!とても可愛い姿に心がほどけるように癒され、とても幸せな気持ちになる瞬間です。(毎年必ずこうした優しい子が出現します)
担任の「歯みがきしてね。」の個々への声かけのおかげもあり、“給食後は歯みがきをするんだ。”という意識の高まりや、歯みがきを楽しく実施しようとする姿等が見られるようになりました。この先は“歯みがきをするとさっぱりして気持ちがいい”という感覚を味わってほしいと願っています。