2年生 学校行事

相手に立つことの難しさ

今日の給食は、岐阜市の友好都市である中国の杭州市の料理でした。メニューは、麦入りごはん、筍と豆苗の卵スープ、東坡肉、野菜の塩炒め、杏仁ゼリー、牛乳でした。

給食で東坡肉が提供されるのは私が知り限りでは初めてではないかな?と思います。せっかくだからと思い立ち、今日のお昼の放送では、東坡肉とは?ということで肉と脂身と皮のゼラチン質が混ざりあった時の混然一体となった美味さについて紹介しておきました。

おいしさを伝える言葉が足らなかったと思うので、美味さを伝えきれないと思い、

「我喜欢 東坡肉」と中国語で伝えてみました。

発音やイントネーションなどは不正確かもしれませんので、子どもたちがタブレット端末で確認することを期待しましょう。

その他にも今日は中華メニューが提供されたので中華好きの私は嬉しくてたまりませんでした。「たけのこととうみょうのたまごスープ」は、舌を噛みそうなほどネーミングが長かったけれど抜群に美味しかったです。

デザートの杏仁ゼリー(正式な名称は「フルーツ杏仁プリン」です。杏仁ではなく、フルーツ杏仁です。あくまでもです。ゼリーではなく、プリンです。)は杏仁豆腐味の層とフルーツゼリーの層とフルーツの層の三層構造で、3つの味のハーモニーを楽しむことができました。子どもたちは「食べるのを惜しんで最後まで残しておいてじっくりと味わう」スタイルで食べていましたが、その気持ち分かります。甘くておいしいデザートを堪能しました。

今日の2年生の道徳の学習は「混雑しているバスの中で誤って隣に立っているおばあさんの足を踏んでしまった女の子」について考えました。主人公の女の子は謝るかどうか迷いながら、お母さんの礼儀についての教えを思い出し勇気を出して「ごめんなさい」と言います。本来ならば主人公の女の子の気持ちを中心に考えるのでしょうが、今日は別の企みがあったので「踏まれた時のおばあさんの気持ち」を考えました。

2年生の子どもたちと一緒に、おばあさんのその時の気持ちを徹底的に考えて出し合いました。25分間でおよそ30の意見が出されました。

・小さい子が踏んだのだから仕方がない

・まぁいいか。それほど痛くもなかったし

・怒りたいけどどうしよう

・謝ってくれないかな?

・踏まれてびっくり

・痛いなぁ。気を付けて

・わざとじゃないだろうけどモヤモヤするな

・混雑したバスだし、我慢するか

・バスの乗り方や吊革につかまることを身に付けて

・女の子は大丈夫かな?

・ちゃんとしろよ!

・怒ってもいいけど泣かしたらどうしよう

・踏まれたけど気にしてないし、許そう

…その他にもいろいろな意見をみんなで考えて出し合いました。

 

今日の道徳の学習の企みは「礼儀だから謝るのではなく、相手の気持ちや思いを考えたうえで謝りたい」という気持ちをもつ!自分のしたことで(故意ではなくとも)相手がどんな思いや気持ちに立っているのかを考える。そしてそれを考えることの難しさや大切さについて学ぶ」というものです。25分間という時間に「ほかにはないかな?」「もっとないかな」とみんなでずっと考えました。考え抜きました。

その場面その場面で考えることの大変さや難しさ。これからは「それを可能な限り短い時間で考える。時には瞬時に考える」ことが必要になるでしょう。そしてそれは、こうした学習や経験を積み重ねていくうちに、その時その時に相手の気持ちや立場を推し量ったり、慮ったりすることによって鍛えられていくと思います。

自分の言葉や自分の行動が、相手にとってどんなものなのか、そのうえで自分はどうすべきか。そういう思考の道筋も大切です。その思考の流れからの「ごめんなさい」は、主人公の女の子にとっても足を踏まれたおばあさんにとっても意味のあるものとなり、礼儀を重んじたものになるのではないかと思います。

相手に立つことは簡単ではありません。けれども相手に立つことが自分に立つことをより意味あるものにし、深いものにしていきます。これからも子どもたちと考え、心で考えていく学習を少しでも実現していきたいと思います。楽しく、実りのある学習となるよう、来週も道徳の学習にみんなで取り組みます。