6年前の7月3日,岐阜市内の学校に通う中学3年生の生徒が,「いじめ」を苦に,自ら命を絶つという痛ましい出来事が起きました。それ以来,岐阜市の公立小中学校では,毎月3日を「いじめを見逃さない日」,毎年7月3日を「いじめについて考える日」として,教職員・児童生徒全員で「いじめ」を乗り越え,全ての人が安心して安全に過ごせる学校づくりに努めてきました。
厚見学園では,今年も中学校2年生と小学校5・6年生が合同で,「いじめ」について考えました。
話合いのテーマは「誰かが傷ついていることを見た(知った)とき,私には何ができるか」でした。
「いじめ」は被害にあう子と害を加える子だけで起きるものではありません。そこには,必ず周りで状況を見ている子がいるはずです。今回は,「周りにいて,『いじめ』に気づいた自分」を想定して考えました。始めに,中学校生徒会が作成した動画を視聴し,その後,少人数のグループに分かれて話し合いました。中学生が話合いのコーディネートをし,小学生が自分の考えを話しました。
中学2年生は,この話合いに至るまでに,「周りにいて,『いじめ』に気づいた自分」を想定して,クラスで議論をし,自分の考えを持ちました。そして,話合いを通して,さらに自分の考えを深めました。
小学校高学年の児童は,これまでの経験やその時の気持ちを思い出しながら,今回のテーマについて真剣に考えていました。
以下は,会を終えての児童生徒の感想です。
【小6男子児童】
いじめは怖いものだと,改めて感じました。ちょっとしたじゃれ合いから始まってしまう。周りからでも,「それって大丈夫?」の声をかけていきたい。
【中2男子生徒】
いじめをさせない空気感,雰囲気が大切。誰にでも平等に接することが大切。周りの第三者が,みんなで注意したり,ダメだという気持ちを持ったりする。「いじめ」られている人に話しかける。安心感を与えられるようにしたい。
【中2男子生徒】
「いじめをなくす」ことは難しいと思う。でも,「いじめをなくす」ために,周りの人を味方につけるとよいと思う。ダメだと正しく認識している人を増やすとよいと思う。
『自分を生かし・人を生かし・共に生きる』の学園教育目標に向かって,「いじめ」を乗り越え,真に「誰もが安心して通うことのできる学校」を目指し,教職員・児童生徒が力を合わせ,厚見学園はこれからも歩み続けていきます。