数年ぶりに行動の制限等がない5月の連休を過ごした子どもたちは,新しいグループや座席も決まり,本格的に校内の諸活動に取り組み始めました。
数年ぶりに,全校が体育館に集まった「生徒総会」,6/1(木)に予定されている体育大会の「結団式」など,全校のリーダーのもと,全校生徒が一つになる場がいくつかありましたが,静かに話を聞くところはしっかり聞き,ユニークなアイデアに対して笑うところは笑い,全校が集まってもけじめをつけた主体的な言動がとれる子どもたちのすばらしい姿が印象的です。本格的に体育大会の練習も始まり,1年の中でも前期の大きな山場を迎えようとしています。
今回は,4月末からの様子をお伝えします。
〇結団式 4/28(金)
今年度は,1,2年生が5学級,3年生のみが6学級という学校の規模でスタートしています。体育大会の団編成については,いくつの団に分かれて優勝をめざすのか,子どもたちの意見も聞きながら,5団編成で取り組むこととなりました。
結団式では,各学級から選ばれた団リーダーが抽選で所属する団の色と学級の組み合わせを決めました。
3年生の団リーダーの子どもたち 各学級の代表による団決めの抽選の様子
グランドで団ごとに分かれての結団式
≪ 今年度の団編成(色と学級) ≫
緑団 1-3,2-2,3-1,3-3 赤団 1-1,2-5,3-2 青団 1-2,2-4,3-4
白団 1-4,2-1,3-5 黄団 1-5,2-3,3-6
〇ぎふMIRAI’sの学習 はじまる
今年度から,スタートした「ぎふMIRAI’s」=「リアルを通して岐阜市について深く知り,主体的に人・もの・ことに関わることを通して自分の生き方をつくる探究学習」を本校でもスタートさせました。
オンラインで「ぎふMIRAI’s」の説明をする本校職員と教室で説明を聞く子どもたち
〇生徒総会 生徒会スローガン「再興」に決定 5/2(火)
全校が集まって活動できるようになったことから,これまで臨時的にオンラインで行ってきた活動が以前の形のとおり,実施できるようになりました。その一つが,生徒会活動の起点となる「生徒総会」です。今年度前期は,体育館に全校が集まり,生徒会役員,専門委員長がスローガンや活動計画を説明し,質疑応答の末,承認の可否を決定する形で進めることができました。今年度の生徒会のスローガンは,「再興」と決まりました。コロナ禍により様々な制約がある中での学校生活でしたが,新型コロナウィルス感染症の扱いが変更された中,以前の行事や活動をそのまま行うではなく,その意味を再度問い直し,今の自分たちにあった活動にアレンジし,仲間と共によりよい岐阜西中をめざすという願いが込められています。
左:人との間隔をとって座り,全校で行う生徒総会 右:生徒会スローガンを提案する生徒会役員
左:委員会ごとに活動計画を提案 右:いじめ未然防止の取組も位置付いています
〇ぎふMIRAI’s 1年生 ダンボールコンポストの学習 5/10(水)
1年生では,昨年度も実施した「ダンボールコンポスト」による肥料づくりに今年度も取り組みます。岐阜市役所環境部資源循環課にご協力をいただき,講師に岐阜市にお住いの「ダンボールコンポストアドバイザー 豊田利幸さん」をお招きし,話を聞きました。この学習は,「ぎふMIRAI’s」に位置付き,SDG’sの観点からも1年かけて取り組んでいくものです。
左:ダンボールコンポスト事業の説明をされる岐阜市役所資源循環課の方
右:講師のダンボールコンポストアドバイザー 豊田 利幸さん
資源が循環する講話を聞く子どもたち
〇いじめ未然防止学習 5/11(木)
昨年に続いて,全校でいじめを未然に防ぐ,「いじめ未然防止学習」を行いました。
授業後のまとめを紹介します。
・いじめを見つけたら,見て見ぬふりをせず,先生や相談しやすい人に相談することが大切だと思いました。自分がされて嫌なことは,相手がされても嫌なことだと思います。いじめは絶対にしてはいけないことだと思うので,「いじめはダメ」と思える人がどんどん増えて100%になるようにしたいです。「ダメ」なことは「ダメ」だと言えるようにしたいです。(1年生)
・今日の授業で,自覚がなくても自分の言動で相手を傷つけてしまっていることもあると思うので,自分の言動に責任をもったり,「これをすると相手はどんな気持ちになるのか」など一度相手の立場で考えたり,言葉を選んだりしてから行動に移したいし,発言したいと思いました。(2年生)
・学校でいじめをなくす取組を行っても,いじめがなかなかなくならないのは,個人個人の意識が足りていないからだと思う。いじめが起きたら迷惑とかじゃなくて,「いじめられた人がどう思うか」や,「嫌だと思ってしまうことを,先ず,自分がしていないかどうか」をしっかりと考えなければならないと思った。いじめをなくすためには全員の創造力が本当に必要だと思う。(3年生)
今年度の生徒会でもいじめ未然防止の取組を進めるよう考えています。昨年度の「ピンク・ピース ウィーク」,「ピンク・ハッピース ディ」の取組同様,アイデアあふれる活動が進められることを期待しています。
〇土曜教育活動 5/13(土)
今年度初めての土曜教育活動を実施しました。内容は,地域貢献活動(地域清掃),「ぎふMIRAI’s」の学習,そして,「親子 e-ネット安心講座」です。
朝,校区内に分かれて,地域を清掃しました。学校運営協議会の皆様や地域の方,保護者の方々にも見守りとともに活動にご協力をいただきました。参加された地域の方から,「気持ちのよい挨拶をしてくれる中学生の姿がとても気持ちよく,素晴らしい。」「熱心にごみを拾う姿が素晴らしい。西中の子どもたちのよい姿を見ることができた。」などのお声をいただきました。
その後,登校し,1,2年生と3年生に分かれて,「ぎふMIRAI’s」の学習を進めました。1,2年生 は,長良川の生き物を中心に調査研究を進めていらっしゃる岐阜市在住の名古屋女子大学の小椋 郁夫教授から,「長良川について学ぶ」に題して,長良川の水質やそこに住む生き物とその生態など,長良川の魅力について,講話を聞きました。3年生は,平和学習の一環として「七郷郷土資料館」の棚橋 嘉明さんから,「岐阜空襲」についての講演を聞きました。こうした講師の方の選定には,学校運営協議会の皆様にも相談にのっていただきました。
午後は,帰宅した後,PTAとの共催でe-ネットキャラバンによる「親子e-ネット安心講座」をオンラインで実施し,親子で視聴いただきました。
この講座は,昨年度から,保護者の方からもご要望をいただいているものであり,今回,オンラインで実施することにより,親子で視聴いただくこと,その後,ご家庭でのネットの使い方等について,話し合っていただくことを意図したものです。
・地域貢献活動 地域清掃の様子
地域の公園,神社等を掃除する子どもたち 保護者や地域の方にご協力いただきました
通学路を掃除する子どもたち
・ぎふMIRAI’sの学習
1,2年生 長良川について学ぶ
長良川の生き物,自然のすばらしさについて話される小椋教授
左:メモを取りながら講演を聞く子どもたち 右:学校運営協議会の皆様も参観いただけました
≪子どもたちの学習のまとめより≫
・長良川では,年々鮎が減っていることが分かった。最近は,川が汚れていて,少しだけでも川を掃除することが大切であることも分かった。同じ場所でも季節や天気によって違うから,何度か長良川に行ってみたいとも思った。そして,長良川にいる生き物をもっと調べてみたいと思った。(1年生)
・私たちが他の県から絶賛されている美しい川である長良川,美味しいとされる鮎の歴史を途切れさせず続けなければいけないなと思った。誇れるものが身近にあると,その素晴らしさに気が付かないし,伝統行事である鵜飼を見たりすることもあまりないので,もっとそうした財産に触れていきたいし,守っていきたいと思った。(2年生)
3年生 平和学習 岐阜空襲について
左:オンラインで講演いただいた棚橋 嘉明さん 右:教室で講演を聞く子どもたち
各教室を回って子どもたちの質問に答えていただく棚橋さん
≪子どもたちの学習のまとめより≫
・今回は貴重なお話を聞かせていただき,ありがとうございました。今回の講話を聞いて戦争も空襲も絶対にしてはいけないことだとあらためて感じることができました。一晩で900人も亡くなって,10万人もの人が住むところを失い,本当に爆撃は怖いと思いました。何があったとしても戦争はいけないなと思いました。
・空襲の被害,悲劇があってもその当時の大人の方々は,子どもたちのために一丸となって協力し,役場や公民館,さらには学校まで必要なものをつくり上げるために懸命に頑張ったと聞いた時には,すごく感動したし,今後,大人になったら私たちも子どもたちのためにできることは果たそうと戦争で起こったことを言い伝えようと思いました。戦争が二度と起こらないように今,できる限りのことをしておきたいと思いました。
・自分は,合渡小学校の出身で,知らなかったけどプールの近くにある石碑の意味が分かりました。空襲の後,村の方々が力をあわせて学校を作ったことを記したものであるそうです。世界に目を向けると,心配な事態がいろいろ報道されています。未来の私たちに期待していると棚橋先生は話されましたが,これからも戦争のことを学び,自分たちの将来に責任をもてるようにしたいと思います。
・「親子e-ネット安心講座」e-ネットキャラバンによるリモート学習
左:オンラインで講演いただいた講師の丸山哲夫 様 右:配付資料とワークシート
講演資料の一部 (許可を得て掲載しています)
≪子どもたちの学習のまとめ≫
・普段当り前に使っているインターネットだからこそ,依存やいじめ,個人情報の悪用などの危険が多いことを知ったうえで使っていかなければならないと思いました。今日,印象的だったのは,アプリをインストールしただけで,個人情報が送られてしまうという怖さです。サイトのリンクをむやみにタップしないということは気を付けていたけど,アプリなどには意識がいっていませんでした。ネットでは,軽い気持ちでやったことでも,後から重大になってくる時があります。それを意識して,これからも情報化社会でネットを使いこなしていきたいです。
(1年生)
・今回の授業で,ネットでは,一歩間違えると犯罪,人を傷つけること,人を殺すような事件にもなるということが分かりました。メールをするときに言葉足らずでチクチクした言葉で送ってしまうことがあるので,今度からはゆっくり慎重に言葉を選んで人とやり取りをしていきたいです。また,一度ネットにのせた情報はデジタルタトゥーとして残ることが分かりました。あまり簡単にネットに情報をのせないようにしたいです。(2年生)
・自分は,今回の講座を聞いてSNSなどの怖さにあらためて気付かされました。写真の目に映った景色だけで位置情報が特定され,犯罪に巻き込まれる可能性があることなど初めて知りました。ネットはうまく使えばすごく便利なものですが,少し使い方を間違えるとすぐに牙をむいてくることが分かりました。ネットの中で何が起きるか分からないことも頭において,慎重に使いたいと思いました。(3年生)
≪保護者の皆様から≫
・普段,家ではタブレットを使ってLINEやゲームなどをしています。何時まで使用可とか,メッセージのやりとりの仕方など気を付けるとよいことを伝えていますが,先生の話や動画を見ながら話すと本当にこわいことがあるんだなと本人も理解できたようで,いつも伝えていることがしっかりと伝わった気がしました。もう一度ルールなどを見直し,正しく安全に伝えるようにしていきたいと思いました。ありがとうございました。(1年生保護者)
・写真や動画がどう悪用されるか分からないので,それらを友達と共有する場合,本当に送っていいものか慎重に考えるようにさせたいと思います。また,スマホを見ている時間が徐々に長くなり,寝る時間にも影響が出てくるようになってきたので,22時以降は使用できないようにしていますが,それ以外の時間もスマホを見すぎないようにどうしたらいいか話し合いたいと思います。(2年生保護者)
・家でも話はするものの専門家の方々の話の方が理解できると感じました。親が話をしても説明不足のところがあるので,今日のように講座をやっていただけてよかったです。今は,SNSも当たり前に使っていないと・・・という時代のため,個人情報の取り扱いには特に十分に注意しないといけないことを普段から話していますが,もう一度親子で確認する機会がもてました。(3年生保護者)
〇ぎふMIRAI’s 1年生
世界農業遺産「清流長良川の鮎」に関連する「ふるさと教育」 5/17(水)
世界農業遺産である長良川について,岐阜県農政部里山振興課の方から話を聞きました。身近な長良川の鮎が世界農業遺産となっていることを初めて知った子どもたちもいました。5/13(土)の土曜教育活動での学習に続いて,長良川の自然のすばらしさ,かけがえのなさ,尊さを学びました。
講師の岐阜県農政部里川振興課 脇海道 卓さんから話を聞く子どもたち
≪子どもたちの学習のまとめ≫
・今日の話を聞いて,清流長良川の鮎が世界農業遺産に認められていることを初めて知ったし,驚きました。だけど,地球温暖化で鮎が小さくなっていることに私たち人間の責任を感じました。
・私は鮎が好きなので,そんな鮎が生活する長良川を大切にして,美しくするために自分のできることをしようと思いました。そして,岐阜のすばらしさを少し誇らしく感じました。
・今日の学習で,小学生のころの稚鮎の放流体験の意味をあらためて考えることができました。人間が理由で環境に悪影響を与えたくないので,日頃から鮎の環境を守るためにできることに取り組んでいきたいと感じました。
・今日の講座を聞いて,魚のための川づくり,森づくりなどに取り組む必要があることが分かりました。また,普段から生物多様性,生物とのつながりを考えて生活していきたいです。
体育大会の取組が本格的に始まりました。種目の練習だけでなく,各生徒会専門委員会が,普段の生活や学習の構えについても事前取組として項目を定め,当たり前のことが当たり前にできる岐阜西中をめざして取り組みます。
次回,体育大会直前の様子を特集する予定です。