11月末に冬の到来を感じさせる寒さを感じましたが,12月に入り,例年よりあたたかい日が続いていました。さすがに中旬を過ぎると冬本番の寒さを感じています。
校門の花壇も,冬用に「葉ボタン」と「パンジー」に植えかえました。
令和5年も残すところ数日となり,新年を迎えるカウントダウンの話題があちこちから聞こえてくるようになりました。
今回は,合唱祭以降の主な活動の様子をお知らせし,今年を締めくくりたいと思います。
▢ 12/2(土) 第2回 土曜教育活動
今年度は,人権週間の取組とあわせて実施しました。内容は,午前中に「人権講話」を聴き,「岐阜西中学校 人権宣言」のふりかえりを行いました。午後は,芸術鑑賞として「岐阜聖徳学園高等学校 和太鼓部の演奏」を視聴しました。
◇人権講話 「パラスポーツから学ぶ」 (中日新聞で紹介されました)
講師として,岐阜県障害者スポーツ協会 松井 文徳 様と岐阜車いすテニスクラブの皆さんをお招きしました。松井様の講話に加えて,車いすテニスクラブの皆さんには,実際のプレーを見せていただくとともに,職員や子どもたちの代表との対戦をお願いしました。
左:右から障害者スポーツ協会 松井文徳 様,岐阜車いすテニスクラブの皆様(右から 諸石 光照様,井上由美子 様,生田 政彦 様,杉浦 政利 様)
右:手前コートが対戦する内田先生と校長先生
左:子どもたちの代表も車いすテニスを体験
右:諸石選手は東京パラリンピックの銅メダリスト 当日は,実物の銅メダルを持参いただけました
≪子どもたちの感想≫
・障がい者の方は,何かができない人ではなく,できないことをできるようにしていく人たちなんだとあらためて感じました。(1年生)
・何かをしたいと感じたら,まずやってみる。苦労もするだろうし,自分に合わないかもしれないけど,何事にも挑戦することで新たな発見があることを学びました。(1年生)
・障がいのある方々は,私たち健常者と何も変わらない、できることが限られるかもしれないけれど、同じように生活をしていることが分かりました。(2年生)
・「足が不自由で車いすを使ってテニスをしている方があれば,自分も車いすに乗ってテニスに挑戦してみる」という話を聞いて,障がいのある方から,何事も自分で壁を作らないことが大切だと学びました。(2年生)
・障がいの有無にかかわらず,自分の可能性に挑戦していくことの大切さを学びました。勇気を出して,いろんなことに挑戦していくことが大切だと思いました。(3年生)
・障がいをもっているからという理由で特別扱いをするのではなく、援助する部分はあるとしても,障がいの有無に関係なく共に生活できる社会をつくることが大切だと思いました。(3年生)
◇岐阜西中学校人権宣言の振り返り
本校の人権宣言が生まれて1年が経ちました。その間,誰もが安心して生活できる学校をめざして様々な取組を進めた生徒会です。昨年度の生徒会代表をつとめた卒業生2名に来校を依頼し,人権宣言に込められた願いを聞き,これまでの自分たちの生活を振り返るとともに,人権宣言を見直しました。卒業生は,教室を回り,在校生の質問にもこころよく答えてくれました。「卒業して高校生活の中でも,岐阜西中学校人権宣言の考え方はとても大切だと思います」という言葉が本校の取組の重要性を物語っていると感じました。
在校生は,これまでの学級の歩みを振り返り,人権宣言でめざす「誰もが互いを認め合い,安心して生活できる学校づくり」の大切さを確認し合いました。
左:学級で人権宣言をふりかえる様子
右:昨年度の生徒会代表2名 教室を巡回して在校生の質問にも答えていただけました
≪子どもたちの感想≫
【1年生】
○学級で意識できていること
・相手との関わり方を考えて,接することができている。
・ 互いの意見を尊重し合うことができている。
・ 「FOR温」の内容をより充実させるように意識して書けている。
・ みんなで一つの目標に向かって,コツコツ努力できるようになってきた。
・ まだ不十分な面もあるが,学級目標を大切にして,相手の意見を聞いて互いに考えるなどできる場面が増えてきた。
〇今後さらに意識を高めていきたいこと
・相手によって対応を変えてしまうことがあるため,どの子にも同じように接する。
・仲間の呼びかけをそのままにせず,自分から応えるように心がける。
・親しい関係であっても,言葉遣いや関わり方に気を付けていく。
・「誰かのこと」ではなく,「自分こと」としてとらえることで,周りの人の行動から学ぶ意識を高めていきたい。
・陰口は,意外と身近なところにもあるので,安易に友達の話に同調せず,自分の言動責任をもてるようにしたい。
【2年生】
〇学級で意識できていること
・相手との関わり方を考えて,接することができている。
・ 互いの意見を尊重し合うことができている。
・ 「FOR温」の内容をより充実させるように意識して書けている。
・ みんなで一つの目標に向かって,コツコツ努力できるようになってきている。
・ まだ不十分な面もあるが,学級目標にもある「認め合う」ということが、相手の意見を聞いて互いに考えるなど,できる場面が増えてきた。
〇今後さらに意識を高めていきたいこと
・仲間の発言に対して,今まで以上に反応し,発表者を大切にする姿を増やしていきたい。
・親しい仲であっても,言葉使いや言動など,一度止まって考えていきたい。
・一人一人が相手のことを慮り,「これは言って(やって)いいまかな?」と自分の中で一度立ち止まって考えていきたい。
【3年生】
○学級で意識できていること
・男女が互いへの思いやりの心をもって接することができている。
・ 一人が困っていたらそれを学級のみんなで解決に向けて話し合うなど,自分のことよりも,仲間のことを優先して考えてくれる人が多くいる。
・少数意見であっても,仲間の声を大切にし,思いを交流している。
・ボランティアなど,周りのために動ける仲間が多い。
〇今後さらに意識を高めていきたいこと
・「誰かがやってくれるだろう」と,他人任せになってしまう部分もあるので,自分から仲間のために動けるようにしていく。
・学級内でどれだけ仲がよくても「言い過ぎでは?」と思うような言葉が聞こえてくる時があるので,相手を慮る姿を増やしたい。
・仲間の短所に目が行きがちだが,長所に目を向けていくことが学校生活だけでなく,これからの社会に出てからも大切だと思うため,意識していきたい。
◇和太鼓の演奏 岐阜聖徳学園高等学校
午後は,芸術鑑賞の機会とし,今年度は,岐阜聖徳学園高等学校の和太鼓部の皆さんをお招きし,演奏を聴きました。太鼓で奏でる楽曲の激しさや息の合った演奏,リズミカルさに「先生,鳥肌が立ちました」と話してくれた子どももいました。職員や生徒代表も参加して演奏の体験をさせていただいたり,子どもたちからの質問に答えていただいたりして,有意義な時間を過ごすことができました。
迫力とリズミカルさを兼ね備えた和太鼓部の皆さんの演奏の様子
子どもたちの代表と先生方の代表も和太鼓の演奏を体験
≪子どもたちの感想≫
・あれだけ息の揃った演奏ができるということは,「かなり練習をしたんだろうな。でも,勉強や他のことは大丈夫かな?」と思いましたが,先輩方から「勉強と部活の両立は難しい。でも,一つのことに夢中になって取り組めば、目標に近づける。」というお話を聞いて,私もそうなれるように頑張ろうと思いました。(1年生)
・今日のような素晴らしい演奏をするのには,楽しいことばかりではないと思いますが,あきらめずに仲間と力を合わせて頑張って演奏してみえたので,私は,あらためて「仲間の大切さ」を感じることができました。分からないこと,できないことは仲間と互いに教え合い,共に成長することが大切だと思いました。今日は,素敵な演奏ありがとうございました。(1年生)
・今日の皆さんの演奏を聴いていると「仲間を信じて頑張ってやりきることができた。」ということが演奏後の皆さんの表情から伝わってきました。仲間を信じて一つのことに向かうことの大切さや楽しんで頑張ることの重要さが分かりました。私も聖徳学園高校の皆さんのような仲間をつくり,楽しんで生活のできる高校を選べるように頑張りたいと思います。(2年生)
・演奏の後,聖徳学園高校の皆さんが,太鼓の片付けを声を掛け合い,協力しながらてきぱきと行ってみえました。演奏だけでなく,演奏後も仲間同士の声掛けを大切にしながら活動してみえる姿に感動しました。また,トラックの近くに見えた聖徳学園高校の先輩に「ありがとうございました。」と言ったら,笑顔で話をしてくださったので,本当にうれしかったです。おかげで,これまで以上に高校に興味をもつことができました。(2年生)
・一人一人の動き,音,かけ声がぴったりと合っていることがすごくて,鳥肌が立ちました。たくさんの人の前では緊張してミスをたくさんしてしまいそうですが,太鼓にかける情熱と,仲間を信じることのできる気持ちが感動的な演奏になっているのだと思いました。つらい練習もたくさんあったと思いますが,仲間同士声を掛け合い,教え合って乗り越えてみえたのだと先輩方の表情から強く感じることができました。私は,今,受検で日々つらいと思って過ごしていますが,先輩たちの演奏を聴いて,私だけがつらいわけではない,みんなも辛いのだから,お互いに声を掛け合い頑張ろうと思いました。(3年生)
・高校では,中学校以上に勉強や部活でたくさんの素晴らしい取り組みができることが分かりました。自分が頑張れば,仲間も頑張り,お互いの力を高め信頼できる本当の友達ができるだと感じました。先輩方は,生徒会や勉強も忙しいとお話をしてみえましたが,その中で楽しみを見つけることが大切だとお話をされていました。それを聞いて何事も目標に向かって頑張る自分の気持ちが大切であるということが分かりました。(3年生)
▢ 12/14(木) 地域に花を・・・,彩を・・・ 1年生 (中日新聞で紹介されました)
1年生では,総合的な学習の時間において,「SDGs12 つくる責任、使う責任」と関連させた「リユース・リサイクル学習」を行っています。5月に「ぎふMIRAI’s」の一環として,岐阜市役所環境部資源循環課の事業であるダンボールコンポスト講座で堆肥づくりを学び,学習を進めてきました。同時に,子どもたちに「できた堆肥で何をしたいか」というアンケートを実施したところ,花を育てて地域の方にプレゼントしたいという意見が多く出ました。その実現に向けて準備を進め,11月に堆肥を利用した花の寄せ植えを完成させました。12月14日(木)には,子どもたちが花の寄せ植えを地域の各所に届けました。コロナ渦で疎遠になっていた地域との結びつきを再興させるとともに,日頃の感謝を伝えること,また,ふるさとに愛着をもち,地域で生きていくという意識を高めるきっかけにしたいと考えています。
左:校区内の保育園へ 右:校区内の小学校へ
丁寧にプランターを並べる子どもたち
▢ 12/14(木),15(金) ふれあい教育展 はばたき学級作品出展
毎年開催されている「ふれあい教育展」に,本校はばたき学級の子どもたちが作品を出品しました。今年は,メディアコスモスで開催されました。12/14(木)には,校外学習として,バスで参観に出かけました。はばたき学級の子どもたちは,「すごい作品がたくさんありました」「来年はもっともっといい作品をつくりたい」などの感想を聞かせてくれました。
出品はばたき学級の作品
左上:鵜飼,下:琵琶湖(カヌー体験の様子) 各画用紙4枚分の大きさ
右:たこやきとドーナツ(手芸作品)
▢ 自らの命をまもる・・・
12月に入り,地域の方から,登下校の様子が危険であるとのご連絡を数件いただきました。一つは,自転車の並列走行です。もう一つは,歩行者が道一杯に広がる様子です。特に,自転車のマナーについては,複数の方から心配してご連絡をいただきました。心配いただいた場所は,河渡橋の下の部分です。自転車通学者の子どもたちが小学生とも交錯するため,以前から注意を呼び掛けていた場所でもありました。そこで,岐阜北警察署へ相談し,自転車の交通マナーに関するDVDをお借りし,帰りの会の時間を3日間使って上映し,注意を呼びかけました。その後,自転車も歩行者も広がらないように注意する姿がみられています。人も車も12月の慌ただしさから,交通事故が心配されます。どうか,ご家庭においても,お子様に対して,自転車,歩行者を問わず,交通マナーを守るようご指導いただけますと幸いです。
帰りの会でDVDを視聴する子どもたち
▢ 学校の宝・伝統 あいさつ運動
令和5年も,定期的に生徒会の子どもたちとボランティアの子どもたちによる朝のあいさつ運動が行われています。1年生から3年生まで,多くの子どもたちがボランティアであいさつ運動に参加しており,本校の伝統の「挨拶」を大切に守っています。
校門近くに並んで登校する仲間に「おはようございます」と声をかける子どもたち
▢ CVS 令和5年最後の活動
本校では,毎年,CVS=地域ボランティアスタッフ(Community Volunteer Stuff)に多くの子どもたちが登録し,朝の地域清掃等に取り組んでいます。この清掃活動には,地域からもお褒めの言葉をいただいています。この様子は,これまでにも本校のホームページで紹介してきました。12/19(火)に今年最後の朝の清掃活動を行いました。空き缶や紙袋をはじめ,様々なゴミが校地周り,通学路上に落ちており,子どもたちが回収しています。
先日,岐阜市から,こうしたさまざまな活動に参加したCVSの活動回数に応じて表彰状が届きました。3年間で10回以上参加した「SUPER CVS」として,本校3名の子どもたちが表彰を受けました。記念品として,金色のピンバッジが贈呈されました。
左:通学路のごみを拾うこどもたち 右:拾ったごみを集める子どもたち
左:Super CVSの表彰を受ける子ども 右:Super CVSの賞状とゴールドのピンパッジ
▢ 12/20(水) 薬物乱用防止教室 2年生
毎年2年生を対象として実施している薬物乱用防止教室を実施しました。このところ,新聞やニュースでも市販薬の間違った利用=オーバードーズの問題が取り上げられています。本校学校薬剤師の中島 亜紀先生に,身近な市販薬の利用の仕方を含めた様々な薬物の乱用の危険性や薬の正しい使い方をご指導いただきました。
≪子どもたちの感想≫
・薬物乱用というと,麻薬や違法なドラッグなどをイメージしていたけど,身近な薬も正しい使い方をしないと乱用となることが分かりました。きちんと説明書きを読んで使うことが大切なことを学びました。
・身近なタバコやアルコールも行き過ぎた利用で中毒になってしまう可能性があることが分かりました。また,ドラッグや違法な薬物には,断る勇気をもち,絶対に手を出さないようにしたいと思います。
・未成年の身体に薬物が与える影響が大きいことは,保健でも学習したけど,今日,あらためて影響が大きいことを学びました。また,ノンアルコール飲料も20歳からということを学びました。
・薬物はもちろんダメだけど,かぜ薬でオーバードーズが流行っているのも知っていたので,あらためてオーバードーズの危険性を学ぶことができました。
▢ 12/20(水) 学年レク ドッジボール大会 3年生
寒風の中,3年生は学級委員会の子どもたちが中心となり,学年レク ドッジボール大会を行いました。いよいよ1月には入試が始まり,子どもたちの中には受験を迎える仲間もいます。先日,実力テストを終え,「受験一色になりがちな3年生の生活に潤いを・・・」と企画したものです。
グランドに3年生の子どもたちの歓声が響き,笑顔で一杯になりました(参観していた校長先生に誤ってボールが当たって校長先生がその場に倒れる一幕があり,笑いの渦が巻き起こった場面もありました。ちなみに校長先生にけがはありませんでしたが・・・)。優勝メダルは3組が獲得しました。
ドッジボールに夢中になる子どもたち
本校の令和5年は,「コロナ禍からの再興」がテーマであったように思います。日々の授業の中での子ども同士の交流の再開にはじまり,行事による子ども同士の教え合いや助け合いなど,人とのかかわりの大切さを子どもたち自身もあらためて感じたのではないかととらえています。
そんな中で,互いに嫌な思いやつらい思いをすることがないよう,コミュニケーションを怠らないことの大切さを折に触れて子どもたちに伝えてきました。また,そのコミュニケーションについても,時と場,伝え方を考えないと友達への非難や陰口だと受け止められる場合があることも同様に繰り返し伝えてきました(SNSによる子ども同士のトラブルが増えました)。来年も引き続き,人とのかかわり方については,丁寧に指導を進めていきたいと考えています。
その他,今年,忘れてはならないことは,地域との連携による行事が再開できたことです。保護者や地域の方々の学校参観,各種地域行事への子どもたちの参加に加えて,回覧板を通じて子どもたちの様子を情報提供させていただきました。多くの方から,子どもたちに対するお褒めの言葉や心配したご意見をいただくことができました。学校内外の子どもたちの様子を新聞でも取り上げて,何度も報道いただけました。
今年を振り返った時に,こうした足跡は,子どもたち一人一人の心身の成長がなければ成し得ないこと,さらには,保護者,地域の皆様のご支援がなければ成し得ないことです。うさぎ年である,今年は,一人一人,そして,岐阜西中学校が成長・前進できたのではないかと職員一同考えております。
来る令和6年も今年以上に子どもたち,そして,岐阜西中学校が飛躍できる年となるよう,職員一同,精一杯努めてまいります。
保護者の皆様,地域の皆様,今年一年間,本当にお世話になりました。ご支援いただきありがとうございしました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうか,皆様よいお年をお迎えください。 岐阜西中学校 職員一同