学校の様子

いじめについて考える日 7月3日(水)

加納中チューター(いじめ対策に取り組む生徒ボランティア)から、「いじめ」に関わる放送を、全校に向けて発信しました。

誰もが安心して過ごせる学校を願い、「いじめ」を未然に防ぐためにはどうすればよいのかについて、具体的な例をもとに、自分ならどうするかを考えました。

 

「アンバランスパワー」と「シンキングエラー」について考える事例

次の事例の中にいくつかの「アンバランスパワー」と「シンキングエラー」があります。皆さんはわかりますか?

AさんとBさんは仲のいい友達でした。二人はお互いの好きな人を言い合い、秘密として共有していました。
ある日、授業でBさんの好きな人の名前に似た言葉が出てきました。AさんはBさんをいじり、クラスを盛り上げようと、「おいおいBさん、喜ぶなよ」と学級のみんなに聞こえるようにいいました。クラスの人たちは、なんとなくその意味を察し、クスクス笑ったり、Bさんをはやし立てたりしました。その様子を見ていたCさんは、みんなと同じように「Bさん、喜びすぎー」と言ってBさんをからかいます。Bさんは恥ずかしそうに下を向き、何も言い返すことができませんでした。

「シンキングエラー」・・・共感性のなさに基づく間違った考えのこと。いじめの加害者は間違った考え方によっていじめを正当化し、自分がいじめをしているという認識をもつことができません。

「アンバランスパワー」・・・力の不均衡のこと。つまり、被害者は加害者にやり返すことができない、被害者は助けを求めることができない状況に陥っているということ。被害者は、さまざまな要因によって、助けを求めることができない状況になっている。もちろん、それは被害者本人の責任ではありません。

「シンキングエラー」と「アンバランスパワー」の二つが存在する場合、加害者は、自分の行為が「いじめ」であると認識できずにエスカレートし、被害者は助けを求めることができずにいじめが深刻化するといわれています。

 

加納中チューターより

この事案について、客観的に振り返ってみると「それはおかしい」と皆さんなら気付くことができると思います。

しかし、いざ自分がこの場面に遭遇した時、同じように仲間をいじったり、周りの人として笑っていたりしていませんか? 間違いに気が付いて言動を改めたり、「それはおかしい」と行動に移したりすることはできますか?

加納中チューターとしてクラスの色々な所に目を配っていると、イジメに該当しそうな行為が0では無いなとも感じました。
それは、この事案のように加害者が知らず知らずの内に加害者になっていたり、イジメに対する認識不足で「自分が加害者になる訳がない」や「これくらい大丈夫でしょ」の様な考えが、まだ根強くあったりすることが原因ではないかと思います。

この様なイジメに繋がってしまう行為・認識を正していく為に、「アンバランスパワー」や「シンキングエラー」について日常的に意識し、人の気持ちを考え、イジメに対する正しい認識を持つ事が大切だと思います。また、「これイジメじゃない?」と思う行為があればすぐに先生や身近な人に相談する事も大切です。あなたの行動が辛い想いをしている仲間を助けるきっかけとなるかも知れません。

 

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いじめ防止強化週間では、これまで以上に、人権やいじめ、命に対する意識を全校で高めてきました。これからも、誰もが安心して生活できる加納中学校をつくるために、一人一人が考えていきましょう。