「チョウがお花食べてる(吸ってる)!」
給食中にある子が気が付き、自分達の給食そっちのけでみんな頭を突き合わせてチョウの様子を嬉しそうに眺めていました。それも…
2学期が始まった、とても暑い戸外で2人の子が幼虫を見つけました。「こんなに暑いのにすごいね!」と喜んでいると、「育てたい!」と自分たちで虫かごを用意して、ミカンの葉を用意して、あおむしのフンを掃除して…
2人で可愛がって育てていました。1学期の経験がいきていて、子どもだけでも飼い方をよくわかっており、嬉しく思いました。そしてチョウになった後2人は…
「逃がしたくない。」
他の子は「逃がしてあげた方がいいよ!死んじゃうよ!」と1学期の経験から大きな声で伝えます。
でも2人は愛情かけて育ててきて「逃がしたくない。」という気持ちです。
2人に「死んじゃうって、じゃあどうしたらいいかな?」と問いかけると、「水がいる!お花入れなきゃ!」と2人で死なないように飼うためにはどうしたらいいのか考え、思い出し、虫かごに入れて見守っていました。
そのチョウがみんなの見ている前で蜜を吸ってくれたので、大喜びです。1学期の経験上、1週間が過ぎたここからが心配ですが、寿命の2週間までは長生きしてほしいと思います。
他にも
遊戯室で体を動かして遊んだり
川をイメージしてアートカーニバルを楽しんだりしました。そして
石鹸を削ってクリームのような泡を作り、
型抜きをして
ケーキ作りを楽しんでいます。
石鹸を削ることが面白い子、泡がだんだん滑らかになっていく様子が楽しい子、泡に朝顔の花を入れて、色が変わることを不思議がっている子など、それぞれの楽しみポイントは少しずつ違っていますが、友達の遊ぶ姿をみて、同じ道具を探しに行き、真似をしながら楽しんでいます。
クリーム泡ができてからは型抜きをして、ケーキに乗せて、葉っぱや花で飾り付けを楽しんでいます。まだまだ暑いので途中で熱中症指数が高くなってしまい、室内に入らなければならないのが残念です。
また体を動かす遊びや、じっくり取り組む遊びを楽しんでいきたいと思います。
そしてこの子ですが…結論としては環境保全課の方にお願いして、命の尊さを感じながら天国に見送りました。
この子について、クラスのみんなで集まって、子ども会議でいっぱい話をしました。
コーヒー豆で捕まえてきたすぐの時には、
大半の子が「飼いたい!」「足が生えてきているよ!」「カエルになるのかな?」と今後の変化にわくわくしていました。
次の日、危険生物である事が分かり、飼えないかもしれない話を教師から聞いた時には、
「でも飼いたい!」「危険ならだめなんじゃない?」「逃がさないならいいんじゃない?」と、飼いたい気持ちの子の中に、飼ったらいけない生き物もいるんだ。という知識が入り、意見が分かれ始めました。
環境保全課の方にウシガエルは特別な許可かなければ飼ってはいけない。危険なため逃がしてもいけない。駆除する必要がある。ということを教えていただいた時には、
「そんなに危険ならしんじゃったほうがいいかも。」「他の生き物が全部食べられちゃうからいきてたらだめ。」「おたまじゃくしでもヨシノボリ食べちゃったし、オイカワもかじられちゃった。」
と、大半の子が駆除する意見でした。しかし、「でもしんじゃったらかわいそう。」「ずっとここ(別の水槽)に居るなら他の魚食べないよ」という意見を言う子が数人いて…
また次の日には
話し始めは半分以上の子が「(他の魚や生き物のために)生きてたらだめ」という意見でしたが、「死ぬまでは生きててほしい。」「しんじゃうのはかわいそう。飼いたい」という意見の子が話始めると、徐々にその意見に感化されて、「やっぱり飼いたい。」という流れになっていきました。
命について考えることは
とても難しく、残酷なことだと感じました。
おたまじゃくしも悪ではなく、生きるための行為というだけ、日本に持ち込まれただけという事実の結果、駆除の対象になってしまっているだけの生き物。
意見が揺れ動く子どもたちの気持ちもよく分かります。しかし、飼ってはいけないと国が定める程の危険生物であることも伝えていく必要があると思い、琵琶湖で何千匹のおたまじゃくしを捕獲している動画、オイカワなどの在来種を守り、捕獲したおたまじゃくしは飼っているカメのエサにするという内容の動画の2分程を子どもと一緒に視聴しました。
「もし逃げたらこんなにも増えるの?」「卵いっぱい産んでこんなになっちゃうのはダメ。」と目の前の一匹だけではない様子を見るとまた違った意見が出始めました。
それでも、「この子は何もしてないからカエルになるまで見ていたい」「立派に大きくなってほしい」という意見もありみんなで揺れ動いた気持ちを伝え合うことができました。
どちらに全員の意見をまとめることではなく、目の前の命について考え、危険生物といわれる生き物がいることを知ったり、みんなも他の生き物の命を食べて生きていることを知ったり、生きるためには食べないといけないことが分かったりできた時間になったように思います。
自分たちの気持ち、生き物の気持ち、いろんなことを多面的に考えて、その時々の気持ちを話し合えた大切な時間を過ごすことができたと思います。今後も、魚の飼育や虫の飼育を通して、命を大切にしたい気持ちが育つような関わりや環境を作っていけたらと思います。