5歳児 さくら組

さくら組(5歳児)今週の1場面

「ちゅうりっぷさん、げんきになってほしい!”ぜんぶ”さくせん!!」

自分たちの楽しい(遊び)をそれぞれが見つけたり、

帰りの会で自分の思いや気持ちを伝えたりする、

さくらさんの様子ならと、先々週の金曜日に「新しく幼稚園に入園した年少組さんの(見えない)気持ち」について、話し合いました。

見えない気持ちを考える時、頼りになるのが、自分たちの経験です。あの頃(年少組の頃)の記憶と比べながら…「(初めてで)ドキドキする気持ち?」「思い出の森が楽しみ。」「滑り台が楽しい。」「幼稚園に行くと嬉しい。」等と伝えます。ポジティブな気持ちが多いですよね。)そこで、「朝来た時のちゅうりぷさんはどうしている?」と“今”の年少児たちがイメージできるように尋ねてみると、「にこにこだよ!」「あーでも、泣いている子もいる。」「私も見た。」

「どうして、泣いているの?」「ママと離れたくないんやない?」「パパとも。」「おじいちゃんとも。」「おばばちゃんとも。」「使いたい玩具が使えないから?」「遊びたいことがないとか?」

「なるほど。じゃぁ、みんなはそんなとき、どうしてほしい?(どうしてあげたい?)」「助けてほしい。」「一緒にいてほしい。」「私たち遊んであげる?」「玩具を作ってあげる。」「僕は(泣いている子が)好きな玩具を作ってあげる。」「助けてあげたい。」「泣かないでほしい。」「元気になってほしい。」「(幼稚園が)楽しいって思ってほしい。」…この話し合いをきっかけに、「ちゅうりっぷさん、げんきさくせん」ミッションスタートです。

 

週明け、始めにファミリー(一年を通して、異年齢交流ができる9つのメンバー)のペアの子を紹介しました。(写真をのぞき込む)

自分のファミリーの子(顔)が分かると、“知りたい”気持ちになりますね。ペアの子の顔や様子を見に行ったり、その子の好きな遊びをこっそり調べたりします。

見て分かること(マーク、今している遊び)もあれば、見ているだけでは分からないこと(好きな物、一人一人が困っていること)もあります。そんな時も、子どもたちはとても柔らかい発想で対応していきます。

一緒に遊んだり

何度も通って調査したり

その分かったことを伝え合う中で、プレゼントで作りたい物を思いついたり、

さらに喜んでもらいたくて、「内緒で歌を歌おうよ」「それいいね~」「歌が好きになってくれるかも。」と、“げんきさくせん(の内容)”が増えたり、プレゼントを複数用意したりして、準備を進めていきました。

一週間かけて、①一緒に遊ぶ ②困っていることを助ける ③プレゼントの歌を歌う ④手作りプレゼントを渡す。ということが決まりました。(盛りだくさん、できるかな???笑)作戦名も「ぜんぶ(①~④)さくせん」へと進化。

 

この中で子どもたちが苦労したことは、プレゼントを作ることです。なぜなら、考えたり、言葉で伝えたりするよりも、ずっと時間がかかるからです。さくら組のみんなだって遊びたいことがあります。その中で、ちゅうりっぷさんのことを考えて形にしていくことは、私たち大人が想像するより難しいように思えますね。

でも、みんなが“作ってみたい”と変わるきっかけがありました。A児は、自分が作って楽しそうと思う物をプレゼントに選びました。幼稚園だけで完成できず、家で続きを作り、翌日完成した物を園に持ってきました。友達が見ると、「それ、遊ばせて!」「可愛い!」「私も(遊んで楽しい物)作る!」と、自分たちも楽しみながら作る姿に。もう作り終えた子も、友達の助けに応えて一緒に作ります。そうしてできたプレゼントは、自分が好き(得意)な物。ペアの子が好きな色やキャラクター。自分が小さい組の時にもらって嬉しかったプレゼントなどなど、決めた理由までどれも素敵ですね。

“ちゅうりっぷさんのために”という気持ちも大切ですが、根本に「面白そう」「やってみたい」が見つかることで、こんなにも準備の時間も楽しくなるんだなと、改めて子どもたちの姿から教えてもらえました。

 

そして迎えた当日。

どうやって関わろうと戸惑ったり、自分たちの方が夢中になって遊んだり、自分の遊びたいことで遊んだり…という姿も、もちろんありました。

ですが、今日という日をどうするのか思い出したり、どうしたら喜んでくれるか考えたり、さくら組の友達と一緒に楽しんで遊んだりする中、どの子も1場面以上、ペアの子、クラスの子、はたまた隣のクラスの子と心が通う瞬間がありました。

もちろん、困っていることを助ける場面も。

歌をプレゼントして、

プレゼントを渡す時には、「一緒に遊べて楽しかったよ。」「(これで)遊んでね。」「また(一緒に)遊ぼうね」「困った時はいつでも呼んでね。」と、マイメッセージを添えて渡していました。

帰りの会に、楽しそうに遊ぶちゅうりっぷさんと自分たちの写真を見て、感じたことを伝え、自分たちで考えたことが“大成功”だったと、それぞれが、そしてクラスで実感できたように思います。

園長先生も来てくださり、ミニゲームをしたり、絵本を読んでくださったり、「みんなそれぞれ自分のやりたいことがあったけれど、ちゅうりっぷさんのことを考えて関わろうとしていたことが嬉しかったよ」と、気持ちを教えてくれたりしました。皆のことをそんな風に言ってもらえて私も嬉しかったです。

またご家庭でも、”ぜんぶさくせん”について、話題にしてみてください。

さて、次はクラスで“何に向かって”遊んでいくのでようか。楽しみですね。