12月26日(木)
終業式の帰りの会、二学期最後に皆で過ごす時間。子どもたちと何をするか決めると、何と、ドッジボールになりました。「ドッジボール」という遊びが、いつの間にかクラスの皆にとって、それぞれの思い入れのある遊びになってきているんだなと、感心させられました。

この75日間の充実した二学期を振り返ると、子どもたちと共に遊びや生活を創っていくと、こんな風に子どもたちが変わっていくんだなと、たくさんのことを学ばせていただきました。大きく2つ紹介します。
1つ目は、友達が楽しんでいる世界に「私も」と飛び込み、興味を広げ、刺激を受け合いながら、自分たちの世界をさらに広げていったことです。
「国旗」の魅力に惹きつけられ、いったい何枚国旗を描いたのでしょうか。いつしか、帰りの会で子どもたちが主体となってクイズが出され、様々な工夫が生まれ、誰もが答えられない国名の存在に皆で悔しがり驚き合っていました。今では、クイズを出したい子たちが、イラスト当てクイズをしたり、体験を活かしたクイズをタブレットも活用しながら作ったりして、「〜かな?」「え〜なの!?」と、やり取りを楽しんでいます。クイズを介して、何が好きで、どんなことを考えているか知れるのも楽しい要素になっています。


また、一学期の共通体験と、夏休み期間を含めた家族での体験が合わさり、色々なごっこ遊びが生まれました。「ピーピー(鳥)ごっこ」が進化した「ピーピー学校」では、就学時健診や加納小学校との交流の後に、最高に楽しい小学校ごっこがくり広げられてきました。子どもたちにとっての学校のイメージは、兄姉から見聞きする国語、算数、体育、音楽、それに「国旗」や、毎月経験する「身体測定」も授業(遊び)の1つでした。自分たちで、「小学校はこんな感じ?」と、考えを膨らませて、ポジティブに捉えている姿に脱帽でした。最近では、「サンタミッション」をきっかけに謎解き旋風が起きました。一学期の宝探しごっこも、謎解きの要素が加わり、自分も含め一緒に遊ぶ友達にも楽しんでもらいたい気持ちで遊んでいます。

さらに、「縄跳び」「ころりんジャンプ」「一輪車」「マフラー作り」「合奏」と、すぐにできないことにも、「今日は○回とべた!」「こうやって上の方から投げると、回しやすいよ。」「明日は緑色の色でやろう〜」等、昨日の自分や友達と比べて、「もっと」の思いで取り組んだり、自分なりの見通しをもって継続的に遊んだりする力も育ってきましたね。だからこそ、うまくいかないことがあっても、すぐに諦めないし、自分と向き合い、友達と手を取り合いながら、遊ぶ姿が増えました。



2つ目は、友達と一緒に遊びを進める心地よさを存分に味わう中で、自分の気持ちを友達に伝えたい気持ちが高まり、(伝えて終わりではなく、)友達の想いに耳を傾け、受け止め、自分なりに感じたこと、考えたことを伝える姿が増えてたことです。(思いが強くなるので喧嘩も増えました。)
だからこそ、氷鬼やドッジボール等の集団遊びが面白く感じられ、何度もやりたくなったり、少し苦手に感じている子も、その楽しい雰囲気に誘われて輪に入ったり、それぞれの楽しさを見つけ一緒の瞬間を楽しむようになったのだと思います。

その姿に繋がったのは、何といっても親子ふれあいフェスティバル②を通して、自分事として、どうしたいか考え、クラス、学年で色々な遊びを積み重ね、話し合い試しながら創ってきたからに他なりません。その時のさくら会議での対話の場面がすごく印象的でした。「私は、(リレーに)勝っても負けてもどっちでもいい。」「私も。」「勝ったら、(相手チームが)悲しいし。負けたら、嫌だし…」「Aちゃんは、どっちのチームのことも考えてるんだね。」「でも、私はそんな風に言ってほしくない。」「一緒のチームの友達がそんな風に言ってたら、勝っても嬉しくない。」…皆で決めるということは、その人数分の感じ方や考え方があります。遊んだり、話し合ったりする中で、少しずつその感じ方(言葉の意味)を知って、皆が「これなら」というものに向かっていく過程の中にたくさんの学びが詰まっていると思います。最近のドッジボールでも、「勝ち負けはどっちでもいい。」という言葉が聞こえてきますが、「悔しい!」と表情が物語っており、再度、試合が行われています。同じ言葉でも心もちが変化しています。さらに、一緒に遊ぶ友達の「遠くまで投げたい」「ボールをキャッチしたい」等の思いを感じて、自分なりにアドバスしたり、一緒に練習したりする姿がとっても温かいです。

夏祭り、親子ふれあいフェスティバル②、木のお家作り…一緒に創ってきたのは、遊びだけではありません。給食をどこで食べるか、帰りの会にどんなことをするか、自分たちの保育室をどんな風(レイアウト)にするか、実は、目の前の一つ一つは、自分たちで考えて、相談して、決めていけることがたくさんあるのです。そういったことに気づいて、目の前の当たり前にあることを、子どもたちと一緒に私自身も問い直しながら保護者の方とも一緒に遊び(生活)を創っていけたらと考えています。


至らないことも多く、ご心配をおかけすることも多くあり申し訳ありませんでした。
二学期間、たくさんのご理解とご協力を本当にありがとうございました。
クリスマス楽しみ会のベルの演奏に感動し、自分たちもと、早速ベルを使って遊んでいます。

それでは14日間の冬休みを、お体に気をつけてお過ごしください。また元気に皆様にお会いできることを心より楽しみにしています。
岐阜市立加納幼稚園 

