1年間を振り返って...
最近のたんぽぽ組はというと...
ある子が、教師の元へきて、
「しっぽ取りしたいんだけど、いっぱいの方が(友達が多い方が)楽しんだよね。まだいっぱいじゃないから、誘ってみる!」
そう言って、近くの友達を自分から誘う姿がありました。すると、少しずつ友達が集まってきました。
なかには、友達の様子が気になるけど、入りづらそうな子もいましたが、教師を支えに勇気を出して入ってみます。
「...僕も入れて!」
「いいよ!」「やった!○○君も入ってくれた!」
最初は、色々な友達のしっぽを取り合っていたのですが、いつのまにか、みんなで仲間になり、多くのしっぽを取ろうと、チーム戦になっていきました。今までも、みんなで何かを始める前には「エイエイオー!」をしていたからでしょうか。自分たちで友達と円陣を組み始めます。
「これで、僕たち多いから強くなったぞ!」
「先生や大きい組のしっぽをとるぞ!」
「頑張るぞ!エイエイオー!」
教師も負けていられないので、本気で走ります。教師のしっぽがなかなかとれないと、
「先生のしっぽどうやってとる?」
と作戦会議が始まります。自分の思いを伝えたり、思いを聞いたり、遊びのなかで、友達との関わりを学んでいますよね。
(あとから、この時話していた作戦はなんだったのか聞いてみると、 <1人の子がおとりで逃げ、教師の気を引いているうちに、残りの子たちが一斉に先生のしっぽを狙って取る> というものだったみたいです。チームワークが良すぎて、見事に教師のしっぽは取られました。)
一人の子がやりたいといった遊びに、「面白い!」と思って、友達の輪に加わる姿、簡単なルールがある遊びに友達と楽しむ姿、みんなで作戦を立てて、もっと楽しい遊びにする姿から、子どもたちの心の成長を感じます。
1年の始めの通信で、
★「友達と一緒に遊ぶのって楽しい!」
と思える経験
★「楽しそう!」「遊びたい!」
と心がときめく瞬間(とき)を感じる経験
という2つのことを大切にした1年間にしたいと書きました。
一年を振り返ると、
一人一人が幼稚園での好きな遊びを見つけ、遊びのなかで、人や物、出来事等に心をときめかせて喜びや期待で心がおどったりする経験をたくさんしました。また、「友達と一緒に!」の気持ちが年少組の時よりも深まるがゆえに、相手にうまく自分の気持ちが伝えられなかったり、相手の思いに気づきづらかったりと、思い通りにならず心がモヤモヤしたこともありました。涙が出る時も、なんだか怒れてくる時もありましたね。でも、心が大きく揺れた経験をしたからこそ、相手の思いに気づき、折り合いをつけようとするきっかけになりました。
そんなたんぽぽ組の子だからこそ、最近の3月の写真を見返すと、
友達が隣にいて、笑顔が溢れている姿や、嬉しそうな姿、居心地よさそうに感じている姿がありました。
友達と一緒に、ウレタン積み木で動物の家を作ったり、
友達と一緒に、あやとりの二人技(子どもたちが創作した)「リボン」を作ったり、
友達のかっこいい車掌さんの姿を、手作りカメラにおさめたり、
友達と一緒に、順番にオセロをうつことを楽しんだり、
教師から離れて、思い出の森で、友達と話をすることが楽しかったり、
隣には、一年間支え合って、育ち合ってきた友達がいました。
もちろん一人で、黙々と遊ぶ姿もありますが、こういった友達が傍にいる写真を見ると、教師が一年間で大切にしていきたい経験を充分に感じてこれたのかなとも思います。
「友達と一緒に遊ぶのが楽しい!」と思う経験をたっぷりとしてきたことと、
「思っていることが違う。どうしよう?」と考えた経験が必ず年長組での生活につながっていくと信じています。
この一年、保護者の皆様には子どもたちが楽しく幼稚園に通えるように、いつも温かいご支援とご理解をいただきました。ありがとうございました。
卒園まであと一年。今からどんな年長さんになっていくのかな?とても楽しみです。一年間ありがとうございました。