5月から、隣接する岐阜県立岐阜聾学校幼稚部の子どもたちとの交流が始まります。(毎週金曜日午前中、3歳児・4歳児・5歳児の子どもたちが、加納幼稚園に遊びに来てくれます。)
岐阜県立聾学校幼稚部との交流は毎年行っており、どの子もが同じ『人』として、互いの良さを知り、認め合いながら、楽しく生活する気持ちを育むことをねらいとしています。
さて、交流を行うにあたって、聾学校の子どもたちのことを知りたいという気持ちから、5歳児を対象として、『聞こえについて』の講話を聾学校幼稚部の先生をお招きして行いました。
聾学校の先生が、子どもたちに親しみやすいように紙芝居を使ってお話ししてくださいました。
「耳が聞こえないってどんな感じかな?」
先生の言葉に、子どもたちは考えます。
「ぼやーんとしてる」
「何(を)言っているかわからない(のだと思う)」
それぞれ思ったことを伝えます。
自分たちが経験をしたことがないことを想像するのは、なかなか難しいですが、多くの子から、耳が聞こえない子
の立場に立って考えようとする姿が見られ、嬉しく思いました。
耳が聞こえない友達に、声を掛けるときは、体に触れたり、耳が聞こえない友達の正面から声を掛けたりすると良いことを知りました。
聾学校の先生が耳が聞こえる子ども役、加納幼稚園の先生が耳が聞こえない子の役をして、寸劇を子どもたちに見せました。
聾学校の友達は、早口でしゃべったり、小さい声だったりすると、こちらの思いが伝わりにくいことを知りました。
そして、聾学校の友達は、加納幼稚園の子どもたちと同じように、心と体を動かして遊ぶことが大好きなんですって。もちろん、先生や友達とおしゃべりすることも大好き!毎日、聾学校幼稚部に登校することを楽しみにしているんです。
この話を聴いて、加納幼稚園の子どもたちはなんだか嬉しそうでした。きっと、耳が聞こえる、聞こえないということよりも、自分たちが大好きなことを聾学校の友達も大好きであることを知り、嬉しかったのではないでしょうか。
耳が聞こえる聞こえないということではなく、同じ『人』として、交流の中で一緒にたくさん遊び、楽しい時間を過ごしていきたいと思います。
最後に、「ありがとう」、「一緒に遊ぼう」、「また、来てね」という簡単な手話や、子どもたちが知りたいと思った「いちご」、「レモン」などの手話も教えていただきました。
指や手を使うことで、言葉を伝えることができるという発見も子どもたちには新鮮なようでした。
5月2日から、聾学校幼稚部の友達との交流が始まります。
加納幼稚園の年長児は、今から楽しみにしています。