学校行事

令和3年度 第34回卒業証書授与式 学校長式辞

式  辞

光の春、顔を出す小さな水仙の花。厳冬を乗り越え、芽吹く命の逞しさに感動する春。この春のよき日に、卒業生一三一名に、卒業証書を授与しました。「卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。」心からお祝いいたします。本来なら、皆さんに憧れる一、二年生、温かく支えてくださっている地域の皆さんと共に、新たな門出をお祝いしたいところですが、それができなく淋しく感じています。しかし、すべての皆さんを代表して、精一杯のエールを送りたいと思います。

保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。かけがえのないお子様が、家族そして地域の方の愛情を受けて、こんなに大きく、逞しくなられました。これからも、夢や希望に向けて歩み続けるお子様を、どうか温かく、見守り続けていただきたいと思います。

さて、卒業生の皆さん。コロナ禍での制限された生活の中でも、学びをとめず、目標を持って努力し、自分の願った進路を実現していこうとする姿から、生き抜く力強さを感じました。また、長森南中の伝統であり財産である四凛を実現する姿から、志の高さを感じました。皆さん全員から、人としての温かさと成長を感じます。

そこで、ある子の「なりたい自分への成長」を紹介します。

私は中学校生活で努力することの大切さ、自分を見つめ直すことの大切さを学びました。小学校のとき、母の仕事の姿から、憧れ、母と同じ高校に進学して同じ仕事に就きたいと思っていました。しかし、中学二年生までは友達と一緒にやるゲームにはまっていました。勉強する意味も分からず、勉強に全く手をつけず、テストはいつも平均点以下でした。だから受験生の三年生になって、「こんな私は高校生になれるのかな」という大きな不安とストレスから学校を休みました。

「どうせ私なんか無理だ」と悩んで泣いてばかりいました。やがて、どうせ巻き返せない、もうめんどくさい、その高校に行かなくていいや、と投げやりになりました。そんなとき、母は、怒ったり嫌味を言ったりせず、私の話を聞いてくれました。私の気持ちを尊重して無理に登校をさせず、ずっと温かく支え励まし見守ってくれました。そんな母が体調を崩したときには、きっと母も辛くストレスを抱えていて申し訳ないと強く感じました。

そんなとき、高校見学に行きやっぱりこの高校に進学したいと感じました。高校の先生から「頑張れ」と励ましてもらい、担任の先生からも「あなたならできる」仲間からは「早く来いよ」「明日体育あるよ」と声をかけてもらいたくさん支えてもらいました。これらの恩に応えたい、テストの点は悔しい、何より自分の将来の夢を実現するために志望校に合格したいという気持ちが凄く大きくなってきました。

これらの気持ちをバネに、毎日塾に通って二時間から四時間、長い時は九時間勉強をするようになりました。もちろんテストの点が急に伸びることは無かったけれど、確実に少しずつ点が上がっていきました。それでも悪い点の時もありました。でも不安はなかったです。それは、勉強に一生懸命取り組んだという達成感があったからです。その達成感があったので、満足する点が取れない悔しさがわき、次頑張ろうと思えたので、勉強を頑張って本当に良かったと心の底から思いました。

勉強の仕方も分からず、ただ我武者羅に勉強していた時期もありました。でも、それではなかなか点数が伸びないので、勉強の得意な仲間に勉強方法を聞いて取り組み、自分に合った方法を見つけるようにしました。すると、五十点以上も伸び、志望校に手が届きそうになりました。悩み、自分と向き合うことで、前向きに考えて動けたり、夢の職業に就くにはいろいろなルートがあると視野を広げたりでき、大きく成長したことを実感して、自分には必要な時間だったと今は思っています。

登校できるようになったのもテストの点が上がったのも、周りの人たちのおかげです。周りの人たちの支えがなければ私は成長できなかったと思います。

世の中には身の回りにいる多くの人達のおかげで成り立っていることは沢山あると思います。だから、日頃から困っている人には自分から手を差し伸べたり、思いやりある行動を心懸けたりすることがとても大切だと思います。そして互いに助け合える関係を築いていきたいと思います。

彼女は、見事に成長しました。「志をもって自立」していく逞しさを感じて嬉しく思います。

ところで皆さん、野球で活躍している大谷翔平選手の生き方をどう思いますか?

「目標があれば頑張れる」「無理だと思わないことが一番大事。無理だと思ったら終わり。まずやってみて、もしそこで限界がきたら僕の実力はそこまでということ」「楽しいより正しいで行動する」など彼の言葉は心に響きます。大谷選手は、類い稀なる才能に恵まれているだけでなく、人の見ていないところで他の選手以上の練習をし、血の滲むような鍛錬の末に一流選手の仲間入りをしたようです。ぜひ彼の生き方を参考にしてみてください。

ところで、今年度、平和や人権尊重の象徴である東京そして北京オリンピックが開催され、さまざまな困難を乗り越えてひたむきに練習し必死に競技に取り組む姿、心から楽しみ勝敗を超え互いの健闘を称える姿、周りの人に感謝する姿が印象的でした。人として、素晴らしい生き方だと感じました。

一方、軍事的行動を起こし、人の命をも脅かす、信じられない悲しすぎる出来事も起きています。社会は、予測不能な変化や多様な価値観があり、正解のない選択を迫られることも多いと感じます。その中で人間愛を重視し熟考し自分の生き方を切り拓いてください。

そしていよいよ本当に「志をもって自立」するときです。皆さんに期待したいことが5つあります。

 『自分の言動が相手を思いやっているのか』を振り返ることが大切です。思いやりいっぱいのあなたは家族、仲間、地域の方から信頼されます。

また、『ありがとう』という感謝の気持ちと言葉は人の心を温かくします。ここまで大きくなれたのは、家族のおかげです。まずは、今日、家族の皆さんに感謝の気持ちを伝えてください。

そして自分の過ちや失敗を認め、『ごめんなさい』と素直になれ、『笑顔』をもち続けることは、人としての豊かさです。

『私がやりますよ』と人のために自分から動き、『僕の良さは これ です。』と自分のステキなところに気付く人は自信をもって生きていけます。

最後に、どんな困難にぶつかったときもまず自分の心でよく考えてから努力すること。それでもだめなら大切な誰かに相談することで、小さな希望がみえるはずです。君を大切に思い応援する人は必ずいます。安心してください。

皆さんが成長する貴重な中学校3年間、私たち教職員は、大好きな皆さんと一緒に過ごせたことが大きな喜びであり、財産でもあります。感謝しています。ありがとうございました。

郷土長森南を愛し、長森南中学校を誇りに思い、激変するグローバル社会の中でも活躍することを期待します。これから君の未来は、自分の意思と力で切り拓くのです。

かけがえのない一人ひとりにエールを送り、希望にあふれた皆さんの未来に幸多かれとお祈りし、式辞といたします。

令和四年 三月七日  岐阜市立長森南中学校長  服 部 和 文