4月の児童会役員認証式で、委員長に決まった子どもたちに、「今までは学校の生活は先生が決めてきた。これからは実際に生活している皆さんと一緒に学校生活を考えていきたい。」と話しました。
すると、5月中旬に、6年生の委員長会のメンバーが校長室に来て、次のことを話してくれました。
「校長先生、中学年の○○さんが環境委員の朝掃除を毎日に手伝ってくれています。とても一生懸命な姿ですから褒めてあげてください。あと、こういったやる気のある子たちが、全校のために一緒になって活動(ボランティア活動)することはとてもいいことだと思うのですが、全校に呼びかけて委員会活動を拡げていけないかと思うのですが、どう思いますか?」
学年の成長の違いを認めながらも、中学年のひたむきにがんばるよさを認めるこの発言!
日本にあまり進展していないボランティアスピリットが、子どもたちに根付いているこの発言!
子どもたちが自分たちの学校生活を創り出そうとするこの発言!
子どもたちの考え方や発想がすばらしい!学校経営方針としても、子どもたちによる自治活動を大きな柱の一つとしている私は「今がチャンスだ」と思い、子どもたちにGoサインを出し、関係職員に周知しました。
ここからは、私の経験上の話ですが・・・
これまでの学校教育は、教員が子どもの学校生活を考え、子どもに成功するように導く教育を展開してきました。その結果、子どもは集団の中で、ある程度の学び方や生活様式等を身に付けてきました。
その反面、教師主導の画一的な教育は、子どもたちの受け身や依存型の態度を増加させ、自分たちで考えて行動する主体的・協働的な態度を育ちにくくしたことも事実です。
そんな中でも、学級・学年をうまく経営する教員は、「教員が考えて実施する教育活動」と「子どもたちが主体的に考え活動する教育活動」をバランスよく設定し、子どもの主体性や協働性を育ててきました。この教員は、子どもの中に様々な力があることを知っており、子どもたちをリスペクト(尊敬する・敬意を表する)しています。失敗は成長のチャンスとし、一緒に課題解決を考え見守り、成長を喜び合います。
家庭教育においても、子どもをリスペクトしているご家庭のお子様は、様々な人を尊重し、自律する力・共生力・創造力がとても豊かな子どもが多い印象です。
教員が子どもをリスペクトすることはもちろん、子ども同士、家庭・地域を含む教育に関わる全ての大人が「互いにリスペクトする」ことを大切にすることができるようになると、本校の教育の質も更に大きく向上すると考えています。
これからも、学校、家庭、地域が互いにリスペクトする絆を大切にして教育を推進していきたいと思います。
かつて日本のリーダーであった山本五十六さんが教育について次のように語っています。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
第26、27代 連合艦隊司令長官 山本五十六
「人」を「子ども」に換えてみると・・・