学校生活

児童の主体性を引き出す教育

本校は、「学び合い」「異年齢学習・生活(なかジャンスクール)」に取り組み、子供たち一人ひとりが学びの当事意識をもち、自ら学ぶ力を育む教育実践をスタートさせています。(緊急事態宣言中は、教室での「学び合い」、9月17日の「なかジャンスクール」は中止します)

 

現在、既に、働き方や学び方、生活の仕方全般が急激に変化する時代が到来しており、これからますます変化が加速することが予想されています。子供達には、この変化に対応できるように、主体的、協働的に学ぶ力、問題解決する力が必要となってきます。

 

しかし、これから生きる力をつけていくための学校で、授業はどのように行われているかというと、私が子供のころとほとんど変わらず、「教師が子供に学びを指示する授業」を展開しています。

<算数の授業の一例>

①今日も問題を読みましょう。

②課題ははっきりさせましょう。

③まずは一人で考えましょう。(教科書を見ることを禁止とする場合もあった)

④わかったことをペア(グループで)交流しましょう。

⑤手を挙げて発表しましょう。(約5人ぐらい発表して正解が明らかになる。)

⑥練習問題に取り組みましょう。

 

①~⑥はすべて教師の指示で学級一斉に行われ、子供が学びに対して、思考・判断・表現する場面は、ほとんどありません。この受動的な学びで、子供たちに、主体的に学ぶ力がつくでしょうか?

さらに、私たち教員は子供たちに言ってきました。「わからないことがあれば、手を挙げて発表しましょう」と。大人の私たちもできるでしょうか?また、全ての子供たちが聞くことができるでしょうか?自分のわからないことをわかるまで聞きたい。でも、いつも授業がギリギリの時間までかかるのに、自分のためだけに全体の時間を使うのは・・・先生を独りじめするのは・・・と思ってしまいます。

 

そこで、本校は、算数を「学び合い」で、そしてイエナプラン教育のエッセンスを取り入れた「異年齢学習・生活(なかジャンスクール)」をスタートしました。この取り組みは、子供たちに大きな幸福感と学びに向かう意欲を向上させていきました。

6年生の「学び合い」アンケートでは、90%以上が「これまでの先生主導の授業より学び合いがいい」と答えています。子供は主体的に学びにかかわることで、「学びの楽しさ」を感じることができるとともに、子供は協働的に活動することで「わからないときにわかるまで聞けること」や「集団への所属感・安心感」を得ていることがその理由でした。また、子どもが先生に直接質問できる時間もでき、支援の必要な子供に重点的に対応できるようになったことも結果に反映されているものと考えられます。

本校でも、「学び合い」が充実し、一人一人の学ぶ力が高まってきた子供は、家庭学習で予習をしてくるようになり、わからないところを授業で聴き合い解決していく「反転授業」を行っています。こういった子供たちは、学びに向かう意欲や積極性(非認知能力)を高めるとともに、テストの点数(認知能力)も大きく上昇しました。

 

小学校期の学びは、人としての基盤を築く大切な時期で、この時期に身に付けた主体性、協働性、創造性等の非認知能力は、その後の人生にも大きく影響します。

現在、新型コロナウィルス(変異株)感染が拡大しており、直接学び合うことが難しい中ですが、私たちはICT等を活用した学びを更に研究し、新しい質の高い教育の構築にチャレンジしていくことで、子供の非認知能力、認知能力を育てていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

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