4歳児なつめ組

今週の1場面 なつめ組(4歳児)

5月10日(金)

なつめ組に進級して1カ月が経ちましたね。

一つ大きいクラスになったばかりの子どもたちは、“大きくなった”という嬉しさを感じながらも、まだ甘えていたい気持ちの間を行ったり来たり。葛藤しながら過ごす姿がありました。

それでも、「おや?なんだか心が強くなったような・・・!」と気持ちの成長を感じられる場面に出会います。

そんな姿に出会ったときには、こちらもとても嬉しく、心温まります。

カプラを使って遊んでいた時のこと。

倒れないように、慎重に積み上げていくAちゃん。

今にも倒れそうなこの傾きの中でも、どうにか倒さないように集中して繰り返し積んでいく姿が、とても嬉しい場面でした。

Bくんも一生懸命積み上げていました。

、、、が、カプラって綺麗な木の音が鳴るし、倒すのも面白い。

そんな気持ちをもった友達に倒されてしまいました。

転園してきたばかりのBくん。一瞬の出来事に言葉を失い、困った様子でした。

Bくんの表情から、「また作ればいいじゃん。」なんて簡単に声がかけられません。私も「あー・・・」と一言発するしかできずにいると、すっと隣に駆け付けて、何も言わずに直し始めるCちゃん。Bくんもつられて、手が動き出しました。

大人からすると、すぐに慰めの言葉をかけたくなるところで、Cちゃんの動きにはっとしました。言葉がなくても、隣で一緒に直してくれている友達がいると、「分かるよ。」と悲しい気持ちを分かってもらえているような安心感がありますよね。

すごいなあ、子どもたちの気持ちって温かくて強いなと気付かされた嬉しい場面でした。

昨年から、1人黙々と園庭にいる生き物を集めてきたDくん。やっとクラスの友達も、虫に興味が出てきました。

こんなにも一生懸命になって見つけた虫も、友達が触りたい!見たい!欲しい!!と言えば、

手のひらにそっと優しく乗せてくれます。

「いいの?」と私が聞くと、「いいよ。だってまた見つければいいもん。」と当たり前のように呟くDくん。

昨年度から繰り返し虫を見つけてきた、虫捕りの先輩Dくんは、少し心に余裕があるのでしょうか。

「○○くんが欲しいって言ったから、捕ってあげた」とか、当たり前のようなその優しさが、とっても嬉しい場面でした。

4月からはじまったばかりの園生活で、まだどきどきしているEちゃん。涙を流すこともあります。

アンパンマンのぬいぐるみをよく持ち歩いているEちゃんの姿を見ている子どもたちは、「Eちゃんはアンパンマンが好きなんだよ。」と知ってくれています。

Eちゃんが泣いていると、そっとEちゃんの傍にアンパンマンのぬいぐるみを置いてくれる子もいます。

ドキドキ、少し不安なEちゃんの様子を見ているからか、真正面からではなく、そっと横から関わる子どもたちの様子を見て、本当に感心します。

子ども同士の関わりを見ていて、言葉が全てではないことを学ばされた1週間でした。

子どもたちも、まだまだ大きくなっていく過程です。

自分のことに一生懸命で、ずっと優しくなんてしていられないこともあります。

それでも、こんな風に、友達の気持ちに心を寄せてみる瞬間が幼稚園に散りばめられていますよ。

少し大きくなったから、背伸びもしてみたい。でもやっぱり・・・!

揺れ動きながら、少しずつ大きくなって、“自分が感じたことのある気持ち”を近くの友達が同じように感じているとき、少し寄り添ってみるなどして、子どもたちの心がぐんぐん育っていくと嬉しいですね♡