学校ニュース

令和4年度 全国学力学習状況調査について

3年生を対象に実施されたみだしの調査について,結果をもとに今後の対応をまとめました。

◆教科別問題の状況について

今年度は,国語,数学,理科の3教科が実施されました。県,全国と本校の平均正答率を比較したところ,次のような結果であることが分かりました。

国語・・・全国,県の平均正答率とほぼ同等の正答率である

数学・・・全国の平均正答率とほぼ同等であり,わずかに県の平均正答率を下回る

理科・・・全国の平均正答率をわずかに上回り,わずかに県の平均正答率を下回る

 

教科別に正答率の低い問題をもとに,今後の指導の方向をまとめました。なお,問題はお子様に返却しておりますので,3年生の保護者の方はお手元でご確認いただくかWeb上でご確認ください。他学年の方もWeb上で確認いただくことができます。(国立教育政策研究所のHPで確認可能です)

 

国語について

特に正答率の低い問題は,1の(三)です。この問題は,「自分の考えが分かりやすく伝わるように表現を工夫して話すことができるかどうか」をみる問題です。

今後の指導としましては,国語科はもとより,各教科において,自分の考えが分かりやすく伝わるように,聞き手に応じて語句を選択したり,話す速度や音量,言葉の調子や間の取り方,言葉遣いなどに注意したりして,表現を工夫できる場面を意図的に位置付けるよう配慮していきます。コロナ禍の中での制約はありますが,説明・スピーチの仕方を仲間と見合い,工夫する点をアドバイスし合う活動を位置付けることが考えられます。

 

数学について

特に正答率の低い問題は,7の(1)です。この問題は,「データの傾向を的確にとらえ,判断の理由を数学的な表現を用いて説明することができるかどうか」をみる問題です。

今後の指導としましては,グラフや図表をもとに,自分がとらえた特徴や傾向を数学的な表現,例えば最大値,最小値,範囲,累積度数など言葉・指標を用いて考えをまとめて記述したり,発表したりする機会を意図的に位置付けることが考えられます。

 

理科について

特に正答率の低い問題は,8の(3)です。問題8は,「アリの行列について科学的に探究する場面において,共通性・多様性の視点から,刺激と反応や体のつくりに関する知識を活用できるかどうか」をみる問題です。

その中で(3)は,未知の節足動物とアリの外部形態を比較して共通点と相違点を捉え,分類の観点や基準をもとに解釈できるかどうかが問われるものです。

今後の指導としましては,実験や観察において,対象となるもの(今回は節足動物の外部形態)の共通点と相違点を基に,観点や基準を見出して分類する機会を位置付けることが考えられます。

 

3教科に共通することとしては,

・資料の中のグラフや図表等や実験結果,また,自分で調べたデータ等を適切に活用すること

・根拠を明確にしながら自分の意見をまとめること

・聞きて,読み手に分かりやすく伝えられるよう表現方法を工夫すること

の3点を重点として,授業を進めることとします。

なお,質問紙調査の項目の中には,上記の3点も含めて今後の学習指導において,配慮するべき点が明らかになっています。教科問題の考察とあわせて指導の改善に生かしていきます。

 

◆生徒質問紙の状況について

項目によっては,H31(R1),R3の結果も踏まえ,県,全国の平均を上回ったり,下回ったりした本校の特徴であるととらえた項目と考察をお知らせします。

 

 質問に対して,「当てはまる(している)」と答えた生徒と「どちらかといえば,当てはまる(している)」と答えた生徒の合計の%を県,全国の平均と比較しました。県,全国の平均を上回っている項目を紹介します。

(7)自分には,よいところがあると思いますか

(8)先生は,あなたのよいところを認めてくれていると思いますか

(9)将来の夢や目標を持っていますか

(13)いじめは,どんな理由があってもいけないことだと思いますか

(46)あなたの学級では,学級生活をよりよくするために学級活動で話し合い,互いの意見のよさを生かして解決方法を決めていますか

(47)学級活動における学級での話合いを生かして,今,自分が努力すべきことを決めて取り組んでいますか

 

(7)については,これまでは,県,全国の平均を下回っていましたが,上回りました。本校で取り組んでいる「For温」や次に示す(8)が向上の理由の中で大きな割合を示すととらえています。

(8)については,子ども同士のよさ見つけ「For温」だけでなく,職員も子どものよさを見つけてほめよう,認めようと努めていることが子どもにも伝わったのではないかととらえています。また,職員と子どもの心の距離が近くなってきているともとらえています。今後もこの指導の構えを大切にしていきます。

(9)については,これまで県,全国の平均を下回り,課題となっていた内容です。学校でのキャリア教育,進路指導に加えて,ご家庭でも将来についてお子様と話をしていただけた成果であるととらえています。

(13)については,安心・安全な学校づくりの大切な重点として指導を進め,今年度は生徒会活動を通じても啓発を進めている内容です。尊い命をおとした痛ましい事件を繰り返さないためにも,市,県,全国をあげて重点として取り組んでいる内容でもあります。本校では,保護者のご協力もいただき,成果があらわれているととらえています。

(46)(47)いずれも,日常の生活をはじめ,行事への取組を通じて学級における学校生活をよりよくしていこうとする子どもたちの自治意識を高めるために,今年度の指導の重点としている内容です。今後も本校のよさとなるよう指導に力を入れていきたいと考えおります。

 

次の項目については,質問に対して,「ほぼ毎日」と答えた生徒と「週3回以上」と答えた生徒の合計の%を県,全国の平均と比較しました。県,全国の平均を上回り,本校の特徴であるととらえた項目を紹介します。

(33)学校で,授業中に自分で調べる場面で,PC・タブレットなどのICT機器を,どの程度使っていますか(インターネット検索など)

(34)学校で,学級の生徒と意見を交換する場面で,PC・タブレットなどのICT機器を,どの程度使っていますか

(35)学校で,自分の考えをまとめ,発表する場面で,PC・タブレットなどのICT機器を,どの程度使っていますか

 

いずれも,県,全国の平均を上回っており,岐阜市の進めるGIGAスクール構想の推進を踏まえて,タブレットを中心に活用を進めてきた成果であるととらえています。今後も各教科における利用頻度の拡大とともに,活用の仕方の個別指導を進めていきます。

 

続いて,県,全国の平均を下回り,今後に向けた本校の課題であると受け止めた項目を紹介します。

 質問に対して,「当てはまる(している)」と答えた生徒と「どちらかといえば,当てはまる(している)」と答えた生徒の合計の%を県,全国と比較しました。

(11)難しいことでも,失敗を恐れないで挑戦していますか

(14)困りごとや不安がある時に,先生や学校にいる大人にいつでも相談できますか

(38)1,2年生のときに受けた授業で,自分の考えを発表する機会では,自分の考えがうまく伝わるよう,資料や文章,話の組立てなどを工夫して発表していましたか

(43) 学級の生徒との間で話し合う活動を通じて,自分の考えを深めたり,広げたりすることができていますか

(45)総合的な学習の時間では,自分で課題を立てて情報を集め整理して,調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいますか

 

(11)については,本校の過去の結果と比べると改善されつつありますが,まだ,県,全国の平均と比べると下回っています。学校生活の中では,生活の様々な場面で目標を決め,その達成に向けて取り組む場面があります。現在,その子どもの状況に応じて,スモールステップでの指導を進め,達成感・満足感を感じさせながら,目標設定の難度を高めていく指導を進めています。

(14)については,職員が子どもの悩みや不安を少しずつでも受け止められるよう一層努めていく必要があるととらえました。(8)の項目にみられるように,子どもたち私たちの指導の構えを受け止めていると考えます。よりよい関係づくり,信頼できる関係づくりを一層進めてまいります。ご家庭においても,普段のお子様の様子を見ていただき,いつもと違う様子か見られた場合には,機会をとらえて相談に応じられるよう,ご協力をお願いします。また,各種相談窓口も折に触れて紹介していきます。

(38)については,本校の子どもたちの課題の一つであるととらえています。子どもの発言そのものの回数を増やし,経験を積むことで工夫するところや改善するところが見えてくると考えています。このことについては,職員の授業研究の視点として,数年前から取り組んでおり,少しずつ向上してきているととらえています。引き続き,各教科において工夫するよう努めます。

(43)についても(38)とともに,本校の子どもたちの授業に関する大きな課題であり,今後も取り組む必要性を感じている内容です。確かに,コロナ禍によりこれまでと比べて,少人数での意見交換を含めて交流や討論の機会は授業の中で制限せざるを得ません。発表以外にワークシートやタブレットを通じた意見交換を進める等,方法を工夫して指導を進めます。

(45)については,コロナ禍のため,かねてより本校で取り組んできた学習が進められないことや本校で工夫した代替の学習活動において,調査研究結果を発表する機会が十分に位置付けられなかったことが要因の一つとして考えられます。コロナ禍の中でも調査・研究を進めることができる指導過程の工夫,題材の開発に取り組みます。

 

以上,教科別問題と質問紙の結果の概要をお伝えしました。調査を受けた3年生だけでなく,1,2年生に対しても同様の対策を講じていきます。

 

 

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