10月中旬から,好天・秋晴れが多かった今年は,11月に入ってもしのぎやすい日が続いていましたが,12月半ばから,寒さが訪れました。15日(木)には,校舎から見える西濃の池田山をはじめとした山々の頂に初冠雪を確認しました。さらに,先週からの最強寒波の到来で一気に冬本番の寒さが訪れました。12/19(月)の朝は,通勤途中の道路の気温の表示が初めてマイナスを表示し,伊吹山をはじめとした西の山々も雪化粧をしました。そして,この週末のクリスマス寒波により,市内でも積雪が記録されました。学校では,12/26(月)の朝の登校時に路面に積雪・凍結心配していましたが,登校中の子どもの怪我の報告はありませんでした。
11月末からの三者懇談以降,子どもたちは,学年・学級で令和4年をよい形で締めくくることをめざして生活しました。学習面でも有意義な締めくくりとなるよう,1,2年生では,体験学習や講師を招いた学習を実施しました。3年生は,志望校の決定や受験に向けた願書の作成等,進路選択に向けた動きが本格的になりました。
12月の様子をお伝えします。
▢人権週間の取組
12/4(日)~12/10(土)の人権週間に合わせて,自分や仲間が互いに気持ちよく生活できる学校づくりをめざし,学級の人権宣言をもとに自分たちの生活ぶりをふりかえりました。
12/7(水)には,生命の尊厳を考える「生き方探究学習」として,柔術家の白木 大輔さんを講師にお招きし,講話を視聴しました。
・人権週間について 12/5(月)
昼の放送時間を使って,人権週間の意義や他校の取組を紹介しました。
上左:人権週間の取組について説明する生徒代表,上右,下左:人権週間の説明と他校の取組の紹介
・白木大輔さんの講話 12/7(水)
白木さんは,ブラジリアン柔術の柔術家として,国内はもとより,海外の大会でも優れた戦績を残されており,現在も現役として活躍されています。娘さんが心臓病(拡張型心筋症)を患われ,治療法としては,当時,国内では症例がほとんどなかった心臓移植しかない状況の中,人工の機器を装着してドナーを待つ日々を過ごされたそうです。やっと海外で手術ができることになったにも関わらず,人工の機器を装着したことにより生じた血栓が血管を通って脳に至り,娘さんは,いわゆる脳死状態に陥ったとのことです。白木さんは,ご家族で相談され,娘さんの臓器を,臓器移植を待つ方のために提供する決意をされました。娘さんから臓器の提供を受けられた方は,現在も元気に生活していらっしゃると伺いました。
子どもたちは,最愛の娘さんの命を何とかして救いたいというお気持ちから,臓器の提供の決意をされるに至った白木さんのお気持ちをもとに,あらためて生命の重み,大切さをふりかえり,自分はもとより,ご家族や仲間,身近な方と共によりよく生きることの大切さを学ぶことができました。
上左右:講話をされる白木大輔さん(右は試合後に生前の娘さんを抱いてインタビューを受けられる様子)
下:お礼を述べる生徒代表
≪講話の後の子どもの感想≫
・私は,白木さんの話を聞いて,命がどれほど大切か,尊いか,あらためて知ることができた。自分の娘がこの世から去ってしまうなんてすごく苦しくて,悲しくて,嫌で何も考えられないぐらいの気持ちであるにも関わらず,他の方に臓器を提供するという決断をくだされたのがすごいと思った。私が親だったら,ただでさえ難病で苦しんでいたのに,死んでしまった後も苦しい思いをさせるのは嫌だから,移植は考えようとしないと思う。でも,白木さんは,きっと娘さんのような思いをしている人を少しでも少なくしたいという思いがあったからだと思う。白木さんの「希望を胸に,今を生きろ」を心に留めていきたい。(1年生)
・命は,とても大切だと思います。白木さんの話を聞いて,あらためて命の大切さを知りました。「今,楽しく生活できているのは当たり前のようで当たり前じゃないんだな」と思いました。突然病気になったり,事故にあったりするかもしれないので,何事もなく生活できている今を大切にしたいと思いました。白木さんは,悲しく,つらい体験を私たちに話してくださり,前を向かって進まれているのが本当にすごいと思いました。今日の話を聞くことができて本当によかったです。(2年生)
・僕は,日常生活の中で,友達関係で悩むことがよくあります。そんな時,僕はすごくネガティブな方向に考えてしまう傾向にあります。ですが,白木さんの話を聞いて,自分の考えがバカらしくなりました。自分の娘を無くしてしまうことのつらさは,自分のような中学生には想像もつかないほどのことだと思います。白木さんの話を聞いて,前向きに生きていくことがとても大切だと感じました。絶望で光の見えない状態であっても,少しの可能性のために前を向き続けた白木さんは,とても素晴らしい人だと思います。(3年生)
・白木さんの話を聞いて,命の大切さや命に対しての向き合い方を考えさせられた気がしました。命は,決して無駄にしてはならないものだし,周りにいる仲間も一緒で,互いに大切にし合い,言葉遣いや行動には気を付けるべきものであると感じました。自分は3年生で,受験などでつらいこと,大変なこと,重大なことなどがあり,楽になりたいと思ってしまうことが時々あります。しかし,命は無駄にしてはならない,もし,暗闇の中にいるとしても希望をもって生活することが大切だと思いました。この話を無駄にしないように生活していきます。ありがとうございました。(3年生)
※全校人権宣言を決定する場は,新型コロナウィルス感染症の影響で全学級がそろわなかったことから,日程を変更しました。その様子は,実施後にホームページでお伝えします。
▢出張販売 岐阜農林高等学校 園芸化学科 12/6(火)
メロンに続いて,岐阜農林の園芸化学科の皆さんが,トマトの出張販売のために来校されました。
黄色いトマトを初めて見たという職員もありました。帰宅後に味わった職員からは,新鮮で野菜本来の味がしましたとの声が届きました。
左:販売のために来校された園芸化学科の学生さん 右:岐阜農林産 新鮮なトマト
▢2年生 私の行き方発見プログラム 12/6(火) 「生き方」ではなく「行き方」で間違いありません
キャリア教育の一環として,「パナソニック キャリア教育プログラム(パナソニック社員の方の出前講座)」をオンラインによるリモート学習で実施しました。「自分の『今』が『未来』につながる」と題し,現役の社員の方の話を聞きました。
将来のことについては,まだ漠然としている子どもたちもいますが,職種に関わらず,働くうえで大切にしていくべきこと,そして,今から取り組むべきことを学ぶことができたと感じています。
左:講師の松尾 隆史さん(パナソニックコネクト株式会社 現場ソリューションカンパニー 所属)からのメッセージ
右:松尾さんの話に熱心に聞き入る子どもたち
≪授業後の子どもの感想≫
・15年後の自分はイメージできないけど,これからいろいろなことに興味をもって挑戦していきたい。勉強など,面倒だと思うことがあるけど,しっかり頑張らないといけないと感じた。
・将来の自分のことは,まだ,はっきりとは決まっていませんが,人とかかわる仕事,チームで取り組む仕事がいいと考えています。そのためにも,人とのかかわりを増やすために,積極的に仲間に声をかけたり,困っている仲間がいたらすぐに行動に移したりしていきたいと思います。
・将来は調理に関わる仕事に就きたいと考えている。そのためには,料理のことだけでなく,人とのかかわりも大切にして,将来に向けて頑張らないといけないことが分かった。
▢1年生 体験学習 「寄せ植えづくり」 12/7(水)
9月にも草花の種まきでご指導いただいた(一社)寄せ植え華道協会の方々を講師にお迎えし,「寄せ植え体験」を行いました。
9月に種をまいて育てた花の苗を含めて,数種類の草花の苗をもとに,苗の高さや花の色などをもとに鉢の中の配置を考え,丁寧に植え替えました。配置や色遣いを工夫し,一人一人が自分だけの寄せ植えを作りました。子どもたちが持ち帰った寄せ植えは,各ご家庭の玄関や庭を彩ることとなると思います。
上右左,下:講師の先生の説明を聞いて,丁寧に決めて丁寧に植え込む様子
下右:完成した寄せ植え 一鉢ずつその子なりのアイデアが生きており,少しずつ違いがあります
▢2年生 法教育 出前講座 12/8(木)
社会のルールを守り,他者を尊重して生きることの大切さを学ぶことを目的として,2年生を対象に実施しました。岐阜少年鑑別所の方から,講話を聴きました。
左:オンラインで講話をいただいた講師の方 右:真剣に講話を聴く子どもたち
≪授業後の子どもの感想≫
・私は,自分が考えなしで行動して相手を傷つけてしまい,すごく迷惑をかけてしまうことがあります。その後で,すごく後悔してしまうこともあります。今回の話を聞いて,自分がとる行動すべてについて,これは正しいのか,正しくないのかを考えて,しっかりと考えて行動したいと思いました。
・今日の話から,自分と周りの人とは糸でつながっているような感じで,自分の行動がよくも悪くも周りに影響を与えることを知りました。「本当にこれでいいのか」と自分でしっかりと考えることの大切さを学びました。ありがとうございました。
・自分の,普段の生活の中で,夜になってその日一日を振り返った時に,「あぁ,あの時もっとこうしていればよかったなぁ」と後悔することが度々あります。もっとよく考えて行動していきたいと思いました。困ったら誰かに相談して解決したいし,困っている人がいたら力になりたいです。
▢2年生 薬物乱用防止教室 12/14(水)
今年最後の出前講座は,薬物乱用防止教室です。例年2年生を対象にこの時期に実施しております。
本校学校薬剤師の中嶋亜紀先生を講師としてお招きしました。中嶋先生には,日頃から,教室の換気の仕方や手指消毒,施設の消毒のポイント等を折に触れてご指導いただいております。
先生からは,違法薬物の取り扱いはもとより,身の回りの薬を正しく使用しないことも薬物の乱用であることを,具体例をもとにご指導いただきました。
左上:放送室からお話しいただく中嶋先生 右:身近な話題をもとにした講話に聞き入る子どもたち
≪授業後の子どもの感想≫
・今回の講話を聞いて,私の「薬物乱用は絶対にしない」という決意が強くなりました。また,20歳未満で飲酒をしている人がいること,薬の用法を間違えても薬物乱用になることを知りました。何気ない日常の中に薬物の影が潜んでいる限り,乱用を誘われても,相手が誰であっても断れる勇気をもつようにします。
・たばこやアルコール類は,20歳からだとしても,使い方や飲み方など,限度を考えて使用することが本当に大切だと思いました。また,身の回りの薬の異常使用や違法薬物の使用は,本当に危険なことであり,日常の薬を使う際は,しっかりと使用法やルールを守って使用する必要があることを学びました。
・違法な薬物は,一度でも使ったらもとに戻れないということが心に残りました。「自分は大丈夫だ」という気持ちを捨てて,誘われても断れる自分になっていきたいと思いました。酒やたばこは20歳になってからやらないと,成長しているからだに害をあたえるかもしれないので,20歳になるまでは絶対にやめようと思いました。
▢1年生 ジャガイモの収穫体験 12/22(木)
寄せ植え体験に続いて,1年生がジャガイモの収穫体験を行いました。寄せ植えの時に植えた草花の苗と同様に,1年生が種イモを植え,段ボールコンポストによる肥料を使って育てたジャガイモです。
「長崎黄金(ながさきこがね)」という品種で,小粒ですが味が濃いという特色があります。
子どもたちは,寒風の中,学級ごとに割り当てられた畑からジャガイモを収穫しました。
残念ながら収穫したジャガイモは,期待したほどの大きさや収穫量ではありませんでしたが,子どもたちは,「ジャガバターにしよう」「カレーに入れてもらおうかな」など,調理方法を話題にしていました。
収穫した後は,種から育てて寄せ植えの際に利用して残った苗を植えました。春には,花を咲かせてくれることでしょう。
左:校門付近の畑・花壇 右:南舎南側の畑・花壇
段ボールコンポストから始まったSDGsの「環境」をテーマとした1年生の学習が,一区切りつきました。
▢1年生 「担任ローテーション」の指導
1年生では,11月後半から,週に一回程度,朝・帰りの会,給食時間に担任を変える活動をすすめています。よりよい学校生活をめざし,担任とは違った視点から,子どもたちが普段は気が付かない部分の指導を進めることを目的としたものです。職員の立場からは,他学級の特色を見て,聞いて,自身の学級の指導に生かすよう学び合う意味もあります。
子どもたちは,普段はあまり聞けない担任以外の先生からの話やアドバイスに熱心に耳を傾け,生活に生かそうと取り組んでいます。
左:担任が変わっても「あいさつ」にこだわる学級の様子
右:担任でない学級の帰りの会の様子を見届ける1年生の職員
▢1年生 学年レク ワールドカップ開催 12/23(金)
1年生では先日幕を閉じたサッカーのワールドカップにちなんで,12/23(金)に学年レク「ワールドカップ」を開催しました。種目は,縄跳びの「8の字跳び」,「ペナルティーキック」「フリースロー」「借り物競争」の4種目です。
寒風の中,子どもたちは歓声をあげながら,レクを楽しみました。
左上:8の字跳び 右上:フリースロー
左下:借り物競争 右下:ペナルティーキック(撮影する校長先生の影が写っています)
令和4年も暮れを迎え,明日から冬休みとなります。今年度,本校では2学期制を導入し,少しずつ学校行事の内容や時期を変えて学校運営を進めてまいりました。引き続き,コロナ禍の中での様々な制限は続きますが,2年生の宿泊研修と3年生の修学旅行は,当初の予定通り,泊を伴う形で実施することができました。また,10月のアンケートの結果をもとに,昨年度にはなかった出前講座や体験学習を位置付け,子どもたちが少しでも学校生活に潤いを感じることができるよう進めてまいりました。
令和4年度は残り3か月を残しますが,新しい年を迎えることになります。私たち職員もこれまでの指導をふりかえり,よりよい学校づくりを目指し,令和5年度に向けた準備を少しずつ進めていくこととなります。
保護者の皆様におかれましては,全校,学年,学級を問わず,急な行事予定の変更や新型コロナウィルス感染症の感染予防のための検温と健康観察の徹底をはじめ,授業の打ちきり,臨時休業等の措置にもご理解とご協力をいただき,職員一同,心から感謝申し上げます。
来年も,職員一同,安心・安全な学校づくり,子どもたちの健やかな成長に向けて精一杯努めてまいります。どうか,令和5年も学校の教育活動にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
皆様,どうぞ,よいお年をお迎えください。
= 連 絡 =
▢冬休み中の対応について
・12/27(火),1/4(水),5(木),6(金)は, 8:15~16:45(12/27は16:30)までの間は,日直が勤務します。12/28(水)~1/3(火)までは,閉庁となります。時間外や閉庁中にどうしても学校へ連絡が必要な場合は,市教育委員会の緊急携帯へ連絡をお願いします。市教育委員会 緊急携帯は,スマート連絡帳にてお知らせします。
☆新型コロナウィルス感染症に感染した場合の報告について
新型コロナウィルス感染症への感染等に関する連絡については,学校へ連絡が付かない場合は,夏休みと同様にスマート連絡帳にてお知らせください。定期的に確認させていいただきます。新型コロナウィルス感染症の感染報告は,市教育委員会 緊急携帯へは連絡されないようにお願いします。
スマート連絡帳へ入力できない状況がある場合は,閉庁明けに電話で連絡いただくようお願いします。
▢学校からの連絡について
・学校からの連絡は,スマート連絡帳を通じて行いますのでよろしくお願いいたします。