みんなのアイディアで広がるお医者さんごっこ
これまで、医者になりきって、ごっこ遊びを楽しんでいました。医者役をしたり、患者役をしたりして、友達や先生とのやりとりも楽しんできました。ある時、「先生!この布、テープで貼ってもいい?」と聞いてきた子がいました。何か作ろうとしたことは伝わったので、「その布は、テープを張ると、はがれなくなってしまうんだ。布で何を作りたかったの?」と聞き返しました。すると、「カーテンを作りたかったんだ。」と答えました。その子の話を聞いて、なるほど!と思いました。病院には、仕切りのようにカーテンがあります。そのカーテンを実際に作ってみたいということでした。周りにいた子も、「私も見たことある!」、「病院にはカーテンがあるよね。」、「僕も作りたい!」という声も上がりました。教師も、「動くカーテン作ってみる?」と、子どもに提案し、資料庫へ材料を取りに行きました。
支柱となる棒も、自分達で考えて、養生テープでつけてみます。一人では、貼ることが難しいと、周りの子が支えて、「私持つ係する!」と言って、みんなで力を合わせてカーテン作りが始まりました。
上の方は、届かないことが分かると、「椅子持ってくる!」と言って、自分たちで考えて必要なものを取りに行く姿がありました。紐を結んだり、ずれないように固定する技は、教師から提案しながら、一緒に少しずつ作っていきました。
時には、子どもたちの微調整も入ります。(笑)
自分たちで場を作り、遊んでいくと、さらにイメージが広がる姿もありました。Aさんは、病院の診療時間の案内の看板を作っていました。看板には、「5月23日3時からやっています。」という内容を書いたということでした。
また、Bさんは、病院のカーテンの奥にベッドがあることを思い出し、ウレタン積み木でベッドを作っていました。医者役の友達に、痛いところを見てもらっていました。ベッドにある枕も、カーブしている積み木を持ってきて再現している所も面白い!!
いろいろあるごっこ遊びのなかでも、お医者さんごっこの遊びが盛り上がったのは、本物らしいカーテンというモノを作ったからこそ、イメージが広がっていきました。ものを作ることで、その場のイメージがさらに膨らみます。友達の「カーテンを作りたい!」というアイディアに対して、「面白い!」「楽しそう!」「私もやってみたい!」と、一緒になって、面白がる友達の存在はとても大きいです。友達と一緒に同じイメージで、それぞれがなりきること、それぞれが新たなイメージを広げることにつながります。ごっこ遊びのなかでも、“ものとの関わり” や “人との関わり” といった様々な関わりのなかで、様々な学びが生まれているのですね。