5歳児たいよう組

今週の一場面 たいよう組(5歳児)

11月21日(火)

20日(月)に焼き芋をしました。

自分たちが味わった後、いつもお世話になっている地域の方に、たいよう組の子どもたちが焼き芋を届けに行きました。

その帰り、いずみおじいちゃんの畑でみかんをいただきました。

たわわになったみかんをたくさん分けていただき、大興奮の子どもたち。嬉しくて大事に大事に持って帰りました。

「職員室の先生に届けて、食べれるように洗ってもらおう。」ということになり、帰ってきて、職員室に届けました。

でも自分で選んだり、いずみおじいちゃんや奥さんから「どうぞ。」と言われてもらったみかんにすっかり愛着が湧いていました。

私がもらったし渡したくない…。でもみんなで食べるために渡した方がいいことはちゃんと分かっています。

「みかんちゃん、バイバイ。」と別れたり、「このみかんは私が食べたいから、それでもいい?」と園長先生や養護教諭の先生に聞いたりお願いしたりしていました。

でもAさんは職員室には入らず、袋を強く握りしめていました。「渡しておいで。」「持って帰りたいの?」何を聞かれても、だんまり。次第にAさんは大きな声で泣き始めました。自分の気持ちと葛藤していたのでしょう。

 

次の日の朝、こどもかいぎの中で、Aさんが自分の気持ちをみんなに話しました。

「1個持って帰りたいんだけど、いい?」

それを聞いた他の子たちは、「いいよ!」「持って帰ればいいよ。」と笑顔で、そして心からそう言っているように私は感じました。

「昨日持って帰りたいって言って子もいたけど、他の子はいいの?」と私が確認しても、みんな口を揃えて「いいよ。」と言うのです。

「じゃあ昨日は持って帰りたいと思っていたのに、どうして持って帰らなくてもいいやと思えたの?」と聞いてみました。

すると…。

「1人で食べるより、みんなで食べたほうがおいしいと思って。」「私は1人で食べるより、みんなで食べると楽しいから。」「じゃあみかんパーティーしよ!」「やりたいやりたい!」「楽しそう!」

こうやって誰かの一言や、小さなきっかけでワクワク感が一気に広がり、みんなでワクワクできるところがたいよう組の本当に良いところで、楽しく生活できる秘訣なのかもしれません。

私がAさんに、「みんな持って帰っていいって言ってくれて、よかったね。」と言うと、Aさんは、「私も我慢する。みんなで食べる。」と話したのです。

その言葉を聞いて、周りのみんなから拍手が起こったのです!「Aさんすごいね。」「やった~!」とAさんに話すのです。

 

この一連のことが、私はすごくすごく嬉しかったです!!

 

Aさんが自分の気持ちを友達に伝えられたこと、

全部じゃなくて1個だけ持って帰るとAさんなりにちゃんと考え、折り合いをつけながらその気持ちを話せたこと、

そしてみんなの話を聞いて、みんなで食べようと思えたこと。

Aさん個人の成長も嬉しいですが、こうなった結果が嬉しいわけではありません。

 

「持って帰りたい。」というAさんの気持ちが共感できるからこそ、Aさんの気持ちを受け入れ、持って帰ることに対し、「いいよ。」と答えられたこと、

それぞれが折り合いを付けられた理由がとっても素敵なこと、そしてその気持ちを言葉で伝えられること、

そしてAさんが乗り越えられたことをみんなで喜べたこと、

その場にいるみんなが誰かの意見に賛成して楽しく、ワクワクできること…。

 

全部全部とても嬉しくて、みんなのハート(こころ)がすごく大きくなっていて、優しくて強くなっていることを伝えました。

 

Aさんが午後から作ったのは、ピンクのハート♡

どの子もいろいろな気持ちを感じながら、こんな風に大きくなっているのでしょうね。

 

帰りの会は待ちに待ったみかんパーティー!!

こあらさんやなつめさんにみかんを届け、たいよう組のみかんは大きいサイズを集めてもらったことに特別感と嬉しさを感じながら、美味しくいただきました。

Bさんは食べるのがやっぱりもったいなくて、お母さんに写真を撮ってもらってから食べたいとのことでした。

一生懸命自分の気持ちに折り合いはつけたものの、それぐらい大事なみかんだったのですね。

 

最後はみかんの種を取り合いになったのはここだけの話…。そんなところもたいよう組らしい⁉

遠慮なく自分の思いを出し、ぶつけ合えるのも信頼している仲間だからこそ。そして最後はみんなで仲良くなれると分かっているからなのかもしれません。

長くなりましたが、一人一人とクラスとしての成長を感じ、本当に素敵な子たちだなと感動して(素敵という言葉では足りないというか、そんな風にまとめるのがもったいないですが…)心がホカホカになった出来事でした。