子供たちがダイバーシティ(多様性)社会で幸せに生きるために、自分で考えて行動する「自律」、互いの違いを認め合い幸せに生きる「共生」、前例にとらわれず新たな価値を生み出す「創造」といった3つの力を子供一人一人に育むことが求められており、教育改革が全国で急速に推進されています。方県小学校でも、子供の学びの特性は一人一人違うことを大前提とした「学び合い・自由進度学習」を算数の授業を中心に展開しています。
この学び方は、日本でも寺子屋や大正自由教育で実践されており、現在では北欧やアメリカをはじめとするグローバル社会を支える世界各国で実践されています。この学びは次の点で人権と大きな関わりがあります。
- 個別のペースを尊重すること
自由進度学習では、子供が自分のペースで学べる環境を提供します。これにより、早く理解できる子供はさらに深く学び、時間が必要な子供も無理なく学べます。これは、すべての子供が学ぶ権利を持っているという考え方に基づき、個々の学習者の権利を尊重するものです。
2. 多様性と包括性の促進
学び合いのアプローチは、多様な背景や能力を持つ子供たちが共に学ぶ機会を提供します。これにより、ヘルプシーキングをはじめとする社会的スキルや共感力が育まれます。これは、すべての子供が平等に学びの場に参加できる権利を持つという考えに基づいています。
3. 自主性と自己決定権の尊重
自由進度学習や学び合いでは、子供が自分で学習の目標や方法を選ぶ機会が与えられます。これは、子供が自己決定権を持ち、自分の学びに対して責任を持つことで、自己肯定感や自信を育むことができるようになります。
これらの点から、学び合いや自由進度学習は、子供の権利を尊重し、個々のニーズに応じた柔軟な学びの環境を提供することで、子供たちが人権に基づいた教育を受けることを可能にしています。この教育は、子供側から教育を再構築することで生まれてきた教育と言えます。