本校では、「互いに違いを認め、みんなが幸せになる時間を創る」をテーマに、異年齢学級の学び「方県なかよしスクール」を毎月実施しております。
この活動は、1年生から3年生、4年生から6年生までの学級を編成し、違いの中で学んだり遊んだりして、「自律・共生・創造」を育む教育活動です。
【1時間目 異年齢遊び】
その日のメンバーや体調、天候等を考えて、みんなが幸せになる遊びを決め出し、活動します。でも、違いの中での活動は、必ず何か起こるものです。その都度、みんなで対話をして納得解や最適解を生み出し、活動を再開させていました。自分の描いた幸せな社会を遊びを通して実現させるトレーニングとなっています。
【2時間目 サークル対話(哲学対話)】
子供たちが、不思議だな?どうしてかな?と思っていることを話題にし、サークル対話をしていきます。
低学年は、生活や自然体験など具体的なことから課題を発見することが多く、高学年は、抽象的なことを話題として、サークル対話を楽しんでいました。
あるグループは、1時間目の異年齢遊びがうまくいかなかったことを受けて、対話を進めていました。まさに、「互いの違いを認め、みんなが幸せになるためには?」をテーマにして対話していました。
また、あるグループでは、「議論する道徳」のようにQワードを活用して、どんどん自分の感じたことを言葉にしてテーマを追究し、黒板にびっしり意見が出されていました。
子供たちの話す内容を聞いて、視察者の方々も「すごい!」「私たち、大人もやった方がいい(笑)」と子供たちがもつ人権感覚に驚いてみえました。
【3時間目 学び合い(算数)】
異年齢学級で学び合いを行います。この時間は、子供たちにとっては「学習内容と学び方(学び合い)の習得」を、教員にとっては「学び合いの指導法と子供の可能性を学ぶ」時間となっています。
この時間に、1年生が3年生に○付けをお願いしている場面がありました。○付けをしながら、3年生が1年生に丁寧に説明している時、説明を聞く1年生の児童は3年生の児童にあこがれているようでした。1年生にとって「あんな3年生になりたい!」といったキャリア教育が展開されているなと思いました。
【4時間目 振り返り】
4時間目は、テーマである「互いの違いを認め、みんなが幸せな時間を創る」を振り返り、自分や仲間のよさを振り返り、交流しました。いつも一緒にいない仲間から新しい自分のよさを気づかせてもらう児童がたくさんいました。自己肯定感を高める大事な時間です。
【5時間目 一般授業(同学年)】
5時間目は、同学年の学級にもどり、学校経営の全体構想を具現を意識した授業を展開しました。
「学び合い・自由進度学習」や「教育DX」を具現する授業を、各学年の発達段階に合わせて展開しました。子供たちは、「みんな違うのは当たり前」という意識の中、主体的・対話的に学びを進めていました。
1日参観された視察者からは、次のようなご感想をいただいた。
本年度、校長先生が新しい学校経営の全体構想を示されて、まだ4カ月半。異年齢学級の学び「方県なかよしスクール」はまだ3回目とのこと。
こんな短い期間に、子供たちが、みんなが幸せになるための世界を描き、実現するために仲間同士対話しながら活動している姿に感動する。私たちが見ているグループでも、うまくいかないところはすぐ対話して修正していくことで、みんなが楽しくなる空間を子供たちが創っていた。こんな姿になるのは、職員の皆さんの意識が高いことや子供を信じて活動を見守る距離感をつかんでみえることが大きな成果につながっていると思った。 このことは、5時間目の同学年での授業を見せていただいても、先生方の子供を信じて任せる距離感が絶妙で、どの学年も子供が主体的・対話的に学び進めており、通常の学校の学びに大きく影響していると感じた。私たちが、これから身に付けなければならないことだと思った。 【視察者の感想より】 |
【職員研修】
異年齢学級の学び「方県なかよしスクール」の放課後には、毎回職員研修が行っています。
今回のテーマは、2つ。
①教育基本法第5条2<義務教育>を読んで、「義務教育とは?」を哲学対話しよう!
②今日の異年齢学級の学びの成果と課題、今後の方向について対話しよう!
このテーマにそって、低学年部と高学年部、そして視察者の方を交えて、サークル対話を行いました。
今回の視察には、高知県公立学校職員、社会政策課題研究所、議会議員、人権擁護機関、社会教育機関、方県小学校運営協議会、本校PTAの皆様が参加をされ、一緒にこれから必要な子供の教育について対話させていただきました。
ありがとうございました。