今日は、3年生が頑張って収穫した大豆を使った豆腐作りの学習がありました。昨日から水につけてふやかしておいた大豆を使っての調理です。今日は、JA方県の婦人部の方のご協力を得て、昔から伝わる方法での豆腐作りで、「方県小幻の豆腐」を作ります。たくさんの婦人部の方とJA方県プラザ長さんに来校していただき(道具までもってきていただき)、手取り足取りでご指導をいただきながら作りました。
これが完成した「方県小幻の豆腐」です。
味は豆腐の味です。ちょっとにがりの味が強いような気がしますが、なんといっても大豆の味がプンプンして、濃厚です。硬さも程よい弾力があり、噛むとちょっと抵抗感を感じます。味音痴の私ですが、市販のものとはちょっと違う弾力です。口の中では、簡単には溶けてくれません。いつも以上に時間がかかるような気がしました。(あくまで気がするだけです。タイムの測定はしていません)
さてさて「この幻の豆腐」を作る過程はいかに?
まずは元気いっぱい、やる気満々で家庭科室へ。待ち構える婦人部の方へのご挨拶をしっかりとして、活動開始です。初めて会う方でも物怖じせずに学ぼうとするところが、3・4年生の良いところです。ひょっとすると調理意欲と食欲が、恥ずかしさに勝っていたのかもしれません。
○そーっと
いよいよ、大豆をミキサーに移します。そーっとこぼさないように。豆だけを移すのではなく、浸してあった水も適量ミキサーに移すことがポイントです。(豆ばかりだとミキサーにかけても滑らかな仕上がりにならないのです)みんなで交代して豆をミキサーに移します。
○ブイーン ブイーン
続いてミキサーを回します。ブィーン、ブイブイブィーン。3分間のミキシングです。これは時間が決まっていて、適切なミキシングタイムがあるようです。しっかりと計時をしつつ、砕きました。
○ぐるぐるぐるぐる
どろどろのバナナジュースみたいになった大豆液を鍋に移します。この鍋のチョイスがまた難しい。あまり底が浅いと吹きこぼれてしまうそうで、かなりの深さの鍋を用意しました。(この吹きこぼれを舐めていました。想像以上にぶわっと吹きこぼれるのです。)そして、ゆっくりと弱火で煮詰めていきます。みんなで鍋に腕が触れないように気を付けながら、ぐるぐると鍋をかき回します。ぐるぐるぐるぐる、コトコトコトコト。ぐるぐるぐるぐる、コトコトコトコト…じっくりと火を通します。
○ぶわっと
ある程度煮詰まってくると、大豆液の液面が少しずつ上昇してきました。婦人部の方やプラザ長さんが「そろそろ来るよ」「ぶわっとくるよ」と教えてくださいますが、何のことかわかりません。
すると突然「ぶわっと」急激に液面が上昇し、鍋から溢れそうになりました。本当に急に上昇します。ぶわっとです。「鍋の一番上から2㎝のところで火を止めるんだよ」と言われても何のことかわかりませんでしたが、あるグループは、火を止めるタイミングが遅れてしまい、ぶわっと・ドバっと・だらだらだらっと大豆液が鍋の外にこぼれてしまいました。うーん。豆腐恐るべし。
○ギュギュっと
さていよいよ次は「絞り」です。木綿の手拭いで絞ります。アッちっち。軍手とゴム手袋の二枚重ねの手袋を使って絞りますが、かなり熱く、子どもたちには難しいようです。こういうところは婦人部の方が手慣れた手つきで、ギュギュっと絞ります。(ある程度絞ってから、子どもたちも絞ってみました。絞るという作業は最近はあまり行わないので、難しかったようです)
○ぐつぐつぐつ
絞り終えて、豆乳とおからができました。これから使うのは豆乳です。またしても、鍋でぐつぐつと煮込みます。ゆっくりと焦げ付かないようにかき混ぜながら煮込みます。頃合いを見計らって「にがり」を投入。ここがまた難しかった!豆乳の温度は80℃、にがりを入れた後にも80℃にする。科学です。にがりを入れたときに、温度が下がってしまい、そのままにしたところの豆腐はその後にうまくまとまりませんでした。なんでかな?
○プルンプルン
さーて、豆乳が少しずつ固まってきました。いい感じで、程よい弾力で固まってきたところで、そーっつと鍋から豆腐の型枠に移します。玉杓子を豆乳の塊に入れます。プルンプルン。思いのほか柔らかく、そーっとそーっと玉杓子を入れては型枠に移していきます。あぁこのまま食べても美味しいだろうな。うまそうなざる豆腐だな。思わず心の声が口からだだ洩れになってしまい「お酒の肴にぴったりだ。おいしそう」と言ってしまいました。周囲から「まだまだ」と叱られました。
○ずっしり
型枠に入れた豆腐(もどき)の水抜きをするために重しを載せます。ずっしり。水が型枠の横の穴から、ちょろちょろと漏れ始めます。下請けの皿(フライパン)にちょっと黄色い水がどんどん溜まっていきます。「これが全部抜けたら豆腐だ!」と子どもたちは大喜び。早く水が抜けないかな。15分待ちます。
○ハイ できあがり
出来上がった豆腐を水にさらします。ゆらゆら。四角いお豆腐のような形になったもの、ちょっと形が崩れたけれども角が取れた四角になっているもの、そしてけっこう形が崩れてしまったもの…しかし、すべて方県小幻の豆腐に間違いありません。精魂込めて作った幻豆腐のお味はどうかな?
○濃い!
ちょっと硬くて、ちょっと苦くて、しかし濃厚な大豆の風味が楽しめる方県小幻の豆腐が完成しました。もちろん感想は「うまい」です。私もご相伴にあずかりましたが「うまい」です。ちょっと醤油を垂らして食べると、大豆の味がしっかりと伝わってくる美味しい豆腐になっていました。いつもは醤油をドバドバとかけて食べる方なので、豆腐を食べているのか醤油を食べているのかわからないのですが、今日はしっかりと豆腐を食べました。さすが幻豆腐です。
○シャカシャカキビキビ
さて片付けが肝心です。みんなで協力して作る傍らから、作り終わったらすぐに調理器具等の片付けに入ります。「子どもたちが自分から進んで片付けができていていいですね」「僕がやります。私がやりますと自分からなんでも取り組もうとするところがいいですね」と婦人部の方からお褒めの言葉をいただきました。シャカシャカキビキビ、3年生・4年生の子どもたちの本当に良いところです。自分たちからという姿勢が常に出てくるようになっているので、今後の飛躍も期待できます。
今日のお昼の放送では、豆腐作りの過程をタブレット端末で示しながら、先人の知恵や工夫、食材を作る過程での工夫や苦労などについて話しました。一見単純に見えるものが、実はとても手の込んだものであること…鰹節や梅干し、豆腐など。周りのものをよく見て、感謝や感動をもって食す、接する…そんなことが意識できるようになると自分の周りのものが違って見えるようになってくると思います。やってみて学ぶ、地域の先人から学ぶ、自分たちの(収穫)の努力から改めて学ぶ、2時間余りの学習の中で学ぶことがたくさんあった方県小幻の豆腐作り。1年に一回しかできない幻のような学習でした。子どもたちがみんなで幻を味わうことができていたことと思います。
今日の給食は、ごはん、きりたんぽなべ、ハタハタのから揚げ、煮なます、牛乳でした。今日は、幻豆腐に気持ちが奪われて、写真を撮影する余裕がありませんでした。コメントのみでご想像ください。
ごはん…いつもの白米 ほかほかで美味
きりたんぽなべ…薄味で美味でしたが、いつも思いますが冷えた鍋料理はちょっと…。やはり熱々の鍋が一番ですね。
ハタハタのから揚げ…ハタハタはかなり小さい魚なのか、給食で提供されるハタハタは5㎝ほどです。カラカラに揚がっているので、魚の実の味があまりわかりません。東北の人はどうやって食べているのでしょうか?
煮なます…なますを煮てある。甘酸っぱい。具材は煮込まれているので、ちょっとしんなりとしている。そのしんなり感を楽しむことができるので、私にとってはうれしい一品。
牛乳…いつもの牛乳。年齢を重ねると冷たい牛乳は温めて飲みたくなる。子どもたちのようにゴクゴク飲めたのならば…。